重道武司
著者のコラム一覧
重道武司経済ジャーナリスト

1957年鳥取県倉吉市生まれ。84年フジサンケイグループ傘下の経済紙「日本工業新聞」(現フジサンケイビジネスアイ)の記者となり、千葉支局を振出しに鉄鋼、自動車、総合電機、財界、金融、エネルギー(電力・石油・ガス)などの業界を担当。2000年外資系通信社に転じた後、02年からフリーに。得意分野は通信社時代を含めて在籍足掛け7年にも及んだ日銀記者クラブ時代に人脈を培った金融。自動車業界にも強い。

AGCとセントラル硝子の統合見送りは「予想された結末」

公開日: 更新日:

 経済産業省幹部らの苦虫を噛み潰す音が聞こえてきそうだ。生産能力が過剰でこのままではコスト競争力を失いかねないとして、かねて板ガラス業界に対し再編統合や設備集約化に取り組むよう強く促してきた経緯があるからだ。

 業界最大手のAGCと3位・セントラル硝子が2021年末に予定していた国内建築用ガラス事業の統合見送りを決めた。19年12月から続けてきた統合協議を打ち切り、今後は「独自に事業構造改革に取り組む」(セントラル硝子関係者)としている。

 AGCとセントラルは19年に国内建築用ガラス事業の統合で基本合意。当初は20年末の実現を目指して交渉を進めてきた。ただ新型コロナウイルスの感染拡大などを受け同10月に1年延期を発表。今回、統合計画そのものも白紙撤回に追い込まれた。

「事業の将来に対する見通しや資産評価について双方の見解が一致しなかった」(AGC関係者)もようで、現時点で協議再開の構想もないという。

 国内板ガラス市場はAGC、セントラルに日本板硝子を加えた3社の寡占状態にある。ただ新設住宅着工戸数や新車販売の低迷などで1990年をピークに建築用、自動車用とも縮小の一途。単価も大幅に下落し、3社の収益はいずれもジリ貧に陥っている。

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