「いきなり!ステーキ」復活誓うも万事休す?ニトリが参入

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 経営危機に陥っている立ち食いステーキ店「いきなり!ステーキ」を運営するペッパーフードサービス。

 ニューヨーク進出失敗、国内での急速な拡大による自社店舗同士が競合になる“カニバリゼーション”、他社のステーキ業態への参入、そして、昨年からの新型コロナウィルス感染拡大によって業績が改善する兆しが見えない状況に。

 その結果、ー1.2億円(18年12月期)、ー27億円(19年12月期)、ー39.5億円(20年12月期)と3期連続で最終赤字を計上。倒産すらささやかれた。

 20年4月には、祖業の「ペッパーランチ」事業を継承した株式会社JPの全株式を投資ファンドに85億円で譲渡。新株予約権の発行による資金調達を行い、退店などのリストラ費用を捻出。なんとか首の皮1枚つながっている状態だ。

「ブロンコビリーより肉質はいい」

 25日に行われた株主総会で、創業者の一瀬邦夫社長は原点回帰による業績回復を誓ったという。

「昨年は質疑応答で、急騰相場で買って業績悪化による暴落で損をした株主からの泣きの抗議がけっこうありました。その後、既存株主が大幅に損をする資金調達の手段であるMSワラントが行使され、最盛期に8230円をつけた株価も300円前後をウロウロしている状態です。ここから業績が大きく上向くとは考えにくいため、今年はどこか諦めムードでした。ただ、一瀬社長は業績を落とす中でも食材の品質は落としていないと話し、競合のステーキチェーン『ブロンコビリー』よりも肉質はいいと自信を見せていました」(当日参加した個人投資家)

 創業時は6割ほどの原価率を武器に珍しかったステーキの立ち食いがヒット。店には行列ができた。しかし、店舗拡大の過程で値上げが繰り返され、いつしかお得感がなくなったという。

 一瀬社長が株主総会で語ったように創業時に原点回帰し、昨年12月から1000円未満のお値打ち商品の投入、商品の絞り込みなどメニュー改定を実行。さらに、デリバリーやテークアウトの実施、キッチンカーの運用なども行っている。

 新規客の来店を促すため、いきなり!ステーキ躍進を担った会員システム「肉マイレージカード」システムも改定。しかし、これはこれまで通っていた常連客にとって改悪ととれるものだったようだ。

 食べたグラム数に応じてゴールド、プラチナ、ダイヤモンドの順にランクアップしていったが、来店回数に応じてランクアップする仕組みに変更。さらに無料でステーキが食べられる誕生日特典しか利用しない客に負担を感じていたという一瀬社長。誕生日特典を終了させるなど、会員システムの改定によって、常連が離れていったといわれている。

“創業の地”銀座エリアは全滅

「ニューヨーク進出、立地特性などエリアマーケティングせずに店舗を拡大するなど、一瀬社長の直感に頼るワンマン経営によって、好調だった業績が一気に悪化しました。今回の株主総会では、一瀬社長が業績悪化に責任を感じているかと思いきや自信満々だったところに、一抹の不安を感じています」(前出の個人投資家)

 自己資本比率は2%ほどまで低迷(20年12月末時点)。債務超過を心配する株主が多いという。今期は0.54億円の最終黒字を計画。これ以上赤字を出せないところまできている。

 3月末には2013年創業の1号店である銀座4丁目店を閉めるほか、来月以降、銀座にあるすべての店舗が閉店する。現在、不採算店舗の退店を進めているため、業績悪化の原因の1つであるカニバリゼーションは解消されつつあるという。コロナ禍で依然厳しい市場環境が続く中、20年12月期第4四半期は単体で営業黒字に転換という明るいニュースも出たが。

「いきなり!ステーキはブランド力が落ちているなか、沖縄発『やっぱりステーキ』の躍進など、ステーキ業態はレッドオーシャン状態です。さらに、いきなり!ステーキのFC展開をしている家具大手『ニトリ』が、FC店舗運営のノウハウを生かして『ニトリダイニング みんなのグリル』を開業、飲食事業を試験的に始めています。もし成功して店舗拡大をしたら、税込500円のチキンステーキなど、“お、ねだん以上。”の商品はペッパーフードにとって脅威でしょう」(市場関係者)

 ウミを出しきっても決して安心できない状況。これまでもペッパーランチでの店員による女性客への拉致・暴行(2007年)や、O-157による食中毒(2009年)などの不祥事を乗り越えてきた。

 “原点回帰”で業績は回復するのか。

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