著者のコラム一覧
中森勇人ジャーナリスト

1964年、神戸市生まれ。大手金属メーカーで鉄道関連の開発職に携わる。その後、IT企業を経て05年よりジャーナリストとして独立。第7回ライターズネットワーク大賞受賞。著書は「辞めてはいけない」(岩波書店)、「心が折れそうなビジネスマンが読む本」(ソフトバンククリエイティブ)、「関西商法に学ぶ商売繁盛のヒント」(TKC出版)など。

吉野家の宣伝文句「うまい、やすい、はやい」ではなかった

公開日: 更新日:

 サラリーマンの強い味方、吉野家の牛丼。ワンコイン(並盛り・387円)でおつりがくる、財布にも胃袋にも優しい存在だ。

 さて、「うまい、やすい、はやい」のあのキャッチフレーズは誰が考えたのか? 答えは創業者の松田栄吉氏。

 吉野家(東京都中央区)広報の寺澤さんによると当初は「はやい、うまい、やすい」の順番だったのだという。

 これは客が来店時に感じる順番から作ったもの。創業の地、日本橋でも移転した築地でも魚河岸をはじめ、舌の肥えている客が多く、しかも忙しい。

「まず、カウンター席に座って注文するとすぐに牛丼が提供され、『はやい』と感じる。牛丼を食べて『うまい』と感じる。会計の際に牛丼の『はやい』と『うまい』を実感してもらいます」

 そして客は最後に「やすい」と感じるわけだ。ちなみに、キン肉マンが歌っていたのも「はやいの、うまいの、やすいの~」の順だ。

 しかし、1994年から品質やおいしさをアピールするため、うまいを先にして「うまい、はやい、やすい」の順番に変更。さらに2001年に牛丼並盛りの価格を400円から280円に改定したことから、「うまいとはやい」を両立させつつ、「うまい、やすい、はやい」の順序にし、現在に至る。どの部分を真っ先にアピールしたいかは時代によって変わってきたというわけだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  2. 2

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  3. 3

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  4. 4

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 5

    国民民主党・玉木代表「ミッション・コンプリート」発言が大炎上→陳謝のお粗末…「年収の壁」引き上げも減税額がショボすぎる!

  1. 6

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  2. 7

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  3. 8

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  4. 9

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  5. 10

    楽天が変えたい「18番は田中将大」の印象…マエケンに積極譲渡で“背番号ロンダリング”図る