佐高信
著者のコラム一覧
佐高信評論家

1945年山形県酒田市生まれ。「官房長官 菅義偉の陰謀」、「池田大作と宮本顕治 『創共協定』誕生の舞台裏」など著書多数。有料メルマガ「佐高信の筆刀両断」を配信中。

美々卯の薩摩社長は労働組合が嫌いだから東京美々卯を潰したのか

公開日: 更新日:

 東京は京橋にあった東京美々卯が閉鎖になり、この解散が労働組合を嫌う美々卯(社長、薩摩和男)によるスラップ訴訟であるかどうかが争われている。

 うどんすきの東京美々卯には何度か行ったが、大阪から進出した美々卯は全国一般東京地本に加わっていた東京美々卯の労働組合が嫌いだったらしい。

 東京美々卯の社長、赤松健治に引き立てられて後継社長となった武田巻人が最近、大阪地裁に出した陳述書で、こう指摘している。

「いまにして思えば、2015(平成27)年の定期借家契約への切り替えも、薩摩和男氏が将来の再開発を見据え、京橋店を追い出しやすくするために準備したものだったのだと思います。またそれ以上に組合嫌悪が根底にあったのは間違いありません。赤松社長を名古屋に『異動』させようとしたときも、新橋店閉鎖問題のときも、組合が立ちはだかって思い通りにならないことから、そのような組合がある東京美々卯はいずれ解散させたいという目論見をもっておられたのだと思います」

 ロングセラーから一時またベストセラー入りした『ルワンダ中央銀行総裁日記』(中公新書)の著者、服部正也は、いわゆる日本的経営がもてはやされていたころ、強い労働組合を相手に経営しているイギリスの経営者の方が、日本の経営者より格段に優れていると話していたが、その通りだろう。この国には、労働組合と聞くだけで横を向く経営者があまりに多い。しかし、組合を大事にする感覚と客を大事にする感覚は同じなのではないだろうか。働く人間を大切にしない経営者が、味わってくれる客を大事にするとは思えない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    侍ジャパン独身組の“嫁取りラウンド”勃発へ! 板野友美&衛藤美彩がキーパーソン

    侍ジャパン独身組の“嫁取りラウンド”勃発へ! 板野友美&衛藤美彩がキーパーソン

  2. 2
    NHK大河「どうする家康」がダメな元凶…松本潤のダメダメ演技と合戦シーンの手抜きにアリ

    NHK大河「どうする家康」がダメな元凶…松本潤のダメダメ演技と合戦シーンの手抜きにアリ

  3. 3
    ガーシー容疑者は捜査の「奥の手」使われ白旗か…母親住む実家ガサ入れで号泣配信

    ガーシー容疑者は捜査の「奥の手」使われ白旗か…母親住む実家ガサ入れで号泣配信

  4. 4
    源田が小指骨折でも離脱しなかった裏側…西武に漂ったピリピリムードと侍Jへの配慮

    源田が小指骨折でも離脱しなかった裏側…西武に漂ったピリピリムードと侍Jへの配慮

  5. 5
    女優・遠野なぎこ「わずか14日」で離婚しバツ3に…「籍を入れる」にこだわる女性の心理

    女優・遠野なぎこ「わずか14日」で離婚しバツ3に…「籍を入れる」にこだわる女性の心理

  1. 6
    山口達也「性加害」に触れず再始動で批判殺到 ハワイデビューの長男Shotaro“支援”が目的か?

    山口達也「性加害」に触れず再始動で批判殺到 ハワイデビューの長男Shotaro“支援”が目的か?

  2. 7
    米国でもWBC大盛況、主催側ボロ儲けも…MLBが支払わされるスター選手故障続出のツケ

    米国でもWBC大盛況、主催側ボロ儲けも…MLBが支払わされるスター選手故障続出のツケ

  3. 8
    中村倫也が“ドンピシャ”水ト麻美アナに強力プッシュ! 庶民派カップルの電撃婚に祝福の声

    中村倫也が“ドンピシャ”水ト麻美アナに強力プッシュ! 庶民派カップルの電撃婚に祝福の声

  4. 9
    「冤罪」の声も出ている…立命館女子大生タリウム殺人事件の謎

    「冤罪」の声も出ている…立命館女子大生タリウム殺人事件の謎

  5. 10
    佐藤江梨子、MEGUMI、小池栄子は消えず健在…元イエローキャブ40代女優3人の現在地

    佐藤江梨子、MEGUMI、小池栄子は消えず健在…元イエローキャブ40代女優3人の現在地