美々卯の薩摩社長は労働組合が嫌いだから東京美々卯を潰したのか
東京は京橋にあった東京美々卯が閉鎖になり、この解散が労働組合を嫌う美々卯(社長、薩摩和男)によるスラップ訴訟であるかどうかが争われている。
うどんすきの東京美々卯には何度か行ったが、大阪から進出した美々卯は全国一般東京地本に加わっていた東京美々卯の労働組合が嫌いだったらしい。
東京美々卯の社長、赤松健治に引き立てられて後継社長となった武田巻人が最近、大阪地裁に出した陳述書で、こう指摘している。
「いまにして思えば、2015(平成27)年の定期借家契約への切り替えも、薩摩和男氏が将来の再開発を見据え、京橋店を追い出しやすくするために準備したものだったのだと思います。またそれ以上に組合嫌悪が根底にあったのは間違いありません。赤松社長を名古屋に『異動』させようとしたときも、新橋店閉鎖問題のときも、組合が立ちはだかって思い通りにならないことから、そのような組合がある東京美々卯はいずれ解散させたいという目論見をもっておられたのだと思います」
ロングセラーから一時またベストセラー入りした『ルワンダ中央銀行総裁日記』(中公新書)の著者、服部正也は、いわゆる日本的経営がもてはやされていたころ、強い労働組合を相手に経営しているイギリスの経営者の方が、日本の経営者より格段に優れていると話していたが、その通りだろう。この国には、労働組合と聞くだけで横を向く経営者があまりに多い。しかし、組合を大事にする感覚と客を大事にする感覚は同じなのではないだろうか。働く人間を大切にしない経営者が、味わってくれる客を大事にするとは思えない。