著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

資生堂(上)“プロ経営者”である魚谷雅彦会長は退任のタイミングを逸してしまった

公開日: 更新日:

 資生堂は7月30日、藤原憲太郎社長が2025年1月1日付で最高経営責任者(CEO)に就任すると発表した。魚谷雅彦会長CEOは24年12月31日付で退任する。25年3月下旬に予定する定時株主総会で取締役も退任し、グループのシニアアドバイザーとなる。

 “プロ経営者”と評される魚谷が、今年いっぱい経営トップであり続けることは驚きだ。業績悪化のなか、退任のタイミングを逸した感は否めない。

 24年6月中間決算(国際会計基準)で赤字に転落した。営業利益は27億円の赤字。中国人の消費意欲低下を背景としたトラベルリテールが大幅な減益となった。これに加え、国内で早期退職を含む構造改革費用220億円を計上したため、純利益は前期比99.9%減の1500万円となった。

 24年12月期通期の業績予想は、売上収益が前期比2.8%増の1兆円、純利益は1.1%増の220億円の見込みを据え置いた。

 資生堂は、日本コカ・コーラで数々のヒットCMを手掛け、伝説的なマーケティングのプロの魚谷雅彦に低迷しているブランドの再生を託した。14年4月、社長に就任。140年を超える歴史を誇る同社で役員経験のない外部の人間が社長に就任するのは初めてのことだった。

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