借り手の夢を空き家で応援する「さかさま不動産」逆転の発想
不動産物件を借りたい、貸したいといった場合、貸し手が物件情報を公開し、借り手がその中から選ぶというのが一般的だ。しかし、その逆で、借り手の情報を集めて貸し手に選んでもらうという方法で契約のマッチングをするサービスがある。それが株式会社On-Coが運営する「さかさま不動産」だ。
このサービスの狙いは、眠っている空き家の活用を促進しながら、若い借り手に町づくりの担い手になってもらう、というところにあるという。
「少子高齢化、人口減少の進行と同時に、2040年には空き家率が40%になると予測されています。近年では自治体などが空き家の活用を促進する動きもありますが、実際、空き家を持っている人の中にはあまり積極的に情報を出したくない人も多いのです。空き家だと知られてしまうと悪いことに使われてしまうのではないかと心配する人もいるためです。そこで発想を逆転して、空き家を活用して何かやりたいという人を集め、その中で“この人に貸したい”という人を選んでもらう方法をとりました」(水谷岳史代表取締役)
空き家を貸そうと思ってもリノベーション費用の捻出が難しく、断念してしまう人も多いが、さかさま不動産では借り手のほうが自分で思うようにリノベーションするケースが多いという。