小沢コージ
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小沢コージ自動車ジャーナリスト

雑誌、web、ラジオ、テレビなどで活躍中の自動車ジャーナリスト。『NAVI』編集部で鍛え、『SPA!』で育ち、現在『ベストカー』『webCG』『日経電子版』『週刊プレイボーイ』『CAR SENSOR EDGE』『MONOMAX』『carview』など連載多数。TBSラジオ『週刊自動車批評 小沢コージのカーグルメ』パーソナリティー。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)、『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)、『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた 27人のトビウオジャパン』(集英社)など。愛車はBMWミニとホンダN-BOXと、一時ロールスロイス。趣味はサッカーとスキーとテニス。横浜市出身。

ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京を初体験 ちょっとお高い“大人の走る遊園地”だった!

公開日: 更新日:

スポーツカーは走る場所がなくなりつつある

 今の現代社会はさまざまな矛盾を抱えている。例えばスポーツカーだ。かつて1990年前後、国産車には上限280馬力の自主規制があったが2004年には撤廃され、セダンでも300〜400馬力は当たり前。そもそも自主規制など無関係だった輸入車になると、最新モデルのポルシェ911ターボSが650馬力、フェラーリ812スーパーファストが800馬力とトンデモない世界に突入している。

 比べると世界でも低速社会で知られた我が日本は、一部高速でこそ制限速度が時速120kmになったが、まだほとんど時速100kmで、一般国道では時速60km。CO2規制や事故防止の観点から低速化は進みつつある。それは一部速度無制限区間があることで有名なドイツのアウトバーンも同様で、良い部分もあるが「スポーツカーは走る場所がなくなりつつある」のが実情なのだ。

ニュルの北コースを模したレイアウト

 そこで世界のスポーツカーブランドは、思い切った手を打ち始めている。走る場所を自ら作る。そう、クルマだけでなく、クルマが思いきり走れる道や場所をも提供するという思い切った作戦だ。

 その1つが「ポルシェエクスペリエンスセンター」。ここ数年でドイツ、アメリカ、フランス、イタリア、中国などに建設され、今年10月には遂に日本の千葉県木更津にも「ポルシェエクスペリエンスセンター東京」がオープンした!

 早速筆者も行ってみて驚いた。1番のメインとなるハンドリングトラックは全長2.1kmと決して長くはない。しかし元々の地形を生かしたレイアウトは高低差が約40mあって、ダイナミックでジェットコースター的。世界的に過酷さで知られたドイツのニュルブルクリンク北コースを模して敢えてエスケープゾーン少なめで設計。限界まで飛ばさなくても十分興奮できる。

体験後は間違いなくポルシェが欲しくなる

 その他にも、同センターには、あえて路面を滑りやすくしたドリフトサークルやローフリクションハンドリングトラック、悪路のオフロードエリアやキックプレート、ダイナミックエリアなど全部で6つのモジュールがあり、その気になればオーナーでなくともコースで思いきりポルシェを楽しむことができる。それがインストラクターとマンツーマンで90分間、様々なモジュール体験ができる「ドライビングレクチャープログラム」で、価格はクルマにより異なるが約5万円から最高峰の911系になると10万円程度まで。

 お安くはないが、ハンドリングコースからスピンしまくりのドリフトサークルまで90分間、結構ヘロヘロになるまで楽しむことができる。それもアナタが持ってない最新型ポルシェでだ。

 正直、体験した後はポルシェが欲しくなること請け合い。もしやコレ、世界のスポーツカービジネスが進化している証明なのかもしれない。

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