自民提言「1億総株主」のマヤカシ 荻原博子氏「人のサイフに手を突っ込まないで」と猛批判

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 安倍元首相に媚びているのか? 「1億総活躍」を思わせるキャッチフレーズだ。

 30日、自民党の経済成長戦略本部が、「新しい資本主義」の実現に向け「1億総株主」という目標を提言。岸田首相が掲げる「貯蓄から投資へ」の流れを促すため、現在、非課税枠が年間40万円となっている「つみたてNISA」の枠拡大などを求めた。

 政府が来週にも決定する「新しい資本主義」の実行計画には、NISA改革の他、個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」の加入対象年齢引き上げも盛り込まれる見通し。現行の64歳以下を70歳程度まで延ばす案が検討されているという。

 岸田首相は英ロンドンの金融街で「眠っている預貯金をたたき起こす」と約束。昨年末時点で2023兆円の日本の家計の金融資産のうち、1092兆円が現預金で半分以上を占める。これを投資にということだが、非課税枠や年齢の拡大で、岸田首相の思惑通り投資が増えるのだろうか。

「庶民生活が分かっていない」

 経済ジャーナリストの荻原博子氏はこう言う。

「庶民生活が分かっていませんね。給料や年金が増えない中で、物価だけ上昇し、生活不安が高まっているから貯蓄が増えているのです。投資はバクチ。老後の安心を考えたら、そんな発想できません。株価も為替も乱高下していて、普通の人が投資する相場環境ではないですしね」

 NISAは、利益が出なければ非課税枠の恩恵を受けられない。60歳まで引き出せないイデコは、コロナ禍で多くが経験したリストラ時などには役に立たない。

 そのうえNISAは、2024年の改定で「2階建て」になるなど、制度がややこしくなるという。

「自分のお金ではなく、100株でも分けてくれるというのなら、投資をやってみようか、という人もいるでしょうが。安倍・菅政権で『自助』をたたき込まれ、コロナ禍で実際に助けてもらえなかったことが身に染みている。投資よりも、まず貯金しなきゃ、と考えるのが普通です。『1億総株主』なんて失礼な話。人のサイフに手を突っ込まないで欲しい」(荻原博子氏)

 政府が「貯蓄から投資へ」と言い続けて20年。将来不安が解消されなければ、成功するはずない。

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