物価上昇に追い打ちをかける「ラニーニャ現象」世界の水争いも過酷に
古来、「弱り目にたたり目」という。悪いことは重なる傾向がある。
世界情勢はウクライナ紛争(ロシアの軍事侵攻)、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融引き締め(利上げ、QT→資金回収)に直撃され、不安定な状況になっている。
原油価格、穀物市況の高騰がインフレ圧力を強め、FRBに加え、ECB(欧州中央銀行)が利上げに進む。すでに、イギリス、カナダは複数回の利上げを行っている。日銀以外は利上げラッシュである。
為替市場では1ドル=135円台、1ユーロ=144円台の円安だ。金融政策を考えると、当然の動きだろう。
円安は輸入物価を上昇させる。そこに、追い打ちをかけるようなラニーニャ現象だ。今年の夏は猛暑らしい。それが秋まで続くという。
ラニーニャ現象とは南米沖など熱帯太平洋東部の海面水温が平年より低く、逆に日本のはるか南方など西部では高めとなる状況だ。逆のケースはエルニーニョと呼ぶ。
このラニーニャ現象は同時に、インド洋の南東部の海面水温が高く、西部では低いという「負のインド洋ダイポールモード」と連動する。