高橋尚子氏や木場弘子氏も…上場企業が“女性取締役”を積極登用
上場企業が女性の取締役を積極的に登用する動きが広がっている。多様な知見を経営に生かす狙いがあり、投資家らもこうした流れを後押しする。今月開催の多くの株主総会では、他業種の経験者や環境専門家、元スポーツ選手らが社外取締役候補に名を連ねた。
制御機器メーカーのIDECは、女性の社外取を1人から3人に増員した。担当者は同社が強化したいITや環境の専門家を探したと説明。「女性活躍の戦略を練る上でも役割に期待したい」と強調する。
JR東海は初めての女性取締役として、フリーキャスターの木場弘子氏を迎えた。金子慎社長は木場氏について、政府の審議会委員などの幅広い経験から「有益な助言が頂ける」と話す。ダスキンは女性社外取を1人増やし、取締役9人中3人が女性となった。広報担当者によると「グローバル人材を求めた結果」で、日本企業では異例の割合となる。
顔触れも一段と多彩になってきた。建設・不動産事業のスターツコーポレーションは五輪マラソン金メダリストの高橋尚子氏(写真)を社外取に招聘(しょうへい)。美容院向け化粧品のコタはトランスジェンダーの社外取を選任し、「多様な人材活用や研究開発の分野で助言してほしい」(担当者)と期待を寄せる。
内閣府によると、昨年7月時点で女性役員が不在の旧東証1部企業は732社と全体の約3割。6月総会を経て、この割合は縮小するとみられる。