小沢コージ
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小沢コージ自動車ジャーナリスト

雑誌、web、ラジオ、テレビなどで活躍中の自動車ジャーナリスト。『NAVI』編集部で鍛え、『SPA!』で育ち、現在『ベストカー』『webCG』『日経電子版』『週刊プレイボーイ』『CAR SENSOR EDGE』『MONOMAX』『carview』など連載多数。TBSラジオ『週刊自動車批評 小沢コージのカーグルメ』パーソナリティー。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)、『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)、『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた 27人のトビウオジャパン』(集英社)など。愛車はBMWミニとホンダN-BOXと、一時ロールスロイス。趣味はサッカーとスキーとテニス。横浜市出身。

新型日産フェアレディZはなぜこんなに懐かし新しくて楽しい? これぞニッポンの伝統芸能だ

公開日: 更新日:

日産フェアレディZ(車両価格:¥5,241,500/税込み~)

 ニッポンの国宝とも言うべき本格2人乗りスポーツカー、日産フェアレディZが久々にフルモデルチェンジ! 北海道のテストコースで初試乗してきた。

 Zは1969年に初代が生まれて今回で7代目。そこまでの歴史を持つスポーツカーは世界を見渡してもポルシェ911ぐらいしかなく、いかにスポーツカービジネスが難しいかがよく分かる。

 そもそも大人2人と少々の荷物を積めるぐらいの不便なクルマ。選ぶのは趣味人ばかりで、最近はスポーツカーと言えども環境対策や安全対策も必須。なかなか作り続けられないのが実情だ。

 そんな中、7代目が取り組んだのは、ある種の伝統芸能としてのフェアレディZ。今まで以上に過去の名作Zの韻を踏んでいる。

スタイル、インテリアとも「懐かしくて新しい」

 スタイルは完璧に初代S30Zのオマージュ。特長的な長方形グリルは勿論、全長×全幅×全高は4380×1845×1315mmと旧型より12cmも伸び、先代6代目よりもリアがスラリと長く、面影を感じさせる。サイズは初代より大きいし、ディテールもLEDライト満載で新しい。だがテールより高いボンネットなど、なぜか懐かしさもある。

 同様に「懐かしくて新しい」のがインテリアだ。メーターは完全にデジタルディスプレーでモダンだが、絵面は完璧にアナログ。大きなタコメーターがセンターにドカンと収まる。

 これまたZの定番インテリアたるクラシカルな3連メーターも懐かしい。質感はいまどきだが、良い意味での古くささすら感じる。

本格的ハンドリングは下手な欧州スーパースポーツを食うほど

 走り味もそうだ。エンジンはスカイライン400Rと同じ3リッターV6ツインターボ。405psに475Nmのピークパワー&トルクは最新のエンジンじゃなければ出せないスペック。

 パワーの出方は濃密で、重厚なエンジンサウンドと共にドラマティックに走れる。だが、そもそもこの電動化が叫ばれる世の中。エンジンを燃やしている感覚が、そもそも古くさいっちゃ古くさい。

 もちろんマニュアルは6速、ATに至っては9速設定で非常に効率が良く、最良モデルのWLTCモード燃費は10.2km/ℓとなかなかのもの。このパワーでこの燃費は素晴らしい。

 ハンドリングもまた素晴らしく、先代Zも骨太でキレ味鋭かったが、そこにしっとりとした上質さが加わっている。特に高速では路面の取られも少なく、安定性も素晴らしい。

 下手な欧州スーパースポーツを食う本格的ハンドリングが楽しめるのだ。

新しくて古典的なガソリンスポーツカーだ

 だが、正直このスタイルで、電動モーターが一切ないスポーツカーがいつまで生き残れるかは疑問。おそらく10年作り続けられればいい方だろう。

 新型Zは生まれた時から別れが見えるような、新しくて古典的なガソリンスポーツカーだ。

 下手に延命を考えていない作りがなんとも潔い。よって私は断言しよう。これぞ乗れるうちに乗っておいたほうがいいクルマなのだと。

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