日本人経営レストラン 海外進出これだけのメリット シンガポールで大繁盛のシェフが語る
思わぬきっかけでシンガポールに進出し、短期間で予約が取れない店になっているのが、モダンスパニッシュレストラン「AO ringo」。
日本人シェフ渡邉康雄氏(47)が腕を振るう同店がオープンしたのが、2020年12月。スペイン・カタルーニャの3つ星レストラン「サンパウ」東京店の元ヘッドシェフの渡邉氏は、自身初の店が海外でオープンすること自体が思いがけないことだったと話す。
「コロナ禍でレストラン業界が苦境に陥る中、日本の食文化やアートを広めたいという誘いに共感し、迷わずシンガポール行きを決めました」
前菜3皿、魚料理、米料理、メインの肉料理、デザートのトータル7皿で99.99ドルのコースは、インフレが進む中、現地ではかなりリーズナブルな部類に入る。
スペイン、イタリアの料理技法を用い、ウニ、魚、野菜などは日本から空輸されたものを調理。四季のないシンガポールで日本を感じてもらえるように心がけているという。
「シンガポールは東京や他国と比べてコミュニティーが狭いため、口コミで良いお店の噂はすぐに広まります。宣伝広告に費用をかけなくていい分、食材にお金をかけられるので、満足度を高めることができます」