姫田小夏
著者のコラム一覧
姫田小夏ジャーナリスト

上海財経大学公共経済管理学院・行政管理学修士(MPA)。中国ウオッチは25年超、うち約15年を上海で過ごす。アジア・ビズ・フォーラム主宰。日刊ゲンダイでの連載などをもとに「ポストコロナと中国の世界観」(集広舎)。

「今の中国は怖くて行けない」希薄化する日本人とのつながり

公開日: 更新日:

失速する対外貿易中国経済孤立化(下)

 日本と中国の往来が復活し始めている。筆者の周辺でも渡航準備を進めているビジネスマンがポツポツと出始めた。

 経済活動には人の移動が必要だ。コロナ前、商談や工場視察、見本市などを目的に多くの日本人が訪中した。ビザの免除や安価な航空運賃も手伝って、活発な往来を繰り返していた。「製品を売り込んだり、客先と食事したりと、取引のほとんどは直接訪問が生んだものだった」と貿易商のM氏は振り返る。

 一方で、あるベテラン商社マンは「今の中国は怖くて行けない」と心中を吐露する。中国渡航ができない状況は商売に不利だが、「行けるようになったとしても行きたくない」というのが本音だ。中国に関わる誰もが共通して懸念するのが身の安全だ。「いつ、どのような理由を口実に拘束されるかわからない」と中国から距離を置きたがる。

 貿易商のM氏は「この3年間で、中国なしでもやれる貿易体制を築いてしまっている企業も少なくない」と話す。貨物輸送の動きからも「中国の日系企業の半数近くが、何らかの形で中国の生産機能を他国にシフトさせている感じだ」(大手物流管理職)という声が漏れる。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    山口達也さんの“再出発”に賛否…TOKIOを連想させる「社名」にドン引きするファンも

    山口達也さんの“再出発”に賛否…TOKIOを連想させる「社名」にドン引きするファンも

  2. 2
    巨人・原監督「実力至上主義」の真っ赤なウソ 坂本&菅野“大甘”重用に中堅・若手ドッチラケ

    巨人・原監督「実力至上主義」の真っ赤なウソ 坂本&菅野“大甘”重用に中堅・若手ドッチラケ

  3. 3
    目黒蓮の魅力を最大限に引き出した今田美桜「わたしの幸せな結婚」興行収入が“キムタク超え”確実

    目黒蓮の魅力を最大限に引き出した今田美桜「わたしの幸せな結婚」興行収入が“キムタク超え”確実

  4. 4
    山口達也「性加害」に触れず再始動で批判殺到 ハワイデビューの長男Shotaro“支援”が目的か?

    山口達也「性加害」に触れず再始動で批判殺到 ハワイデビューの長男Shotaro“支援”が目的か?

  5. 5
    きゃりーぱみゅぱみゅ結婚がWBCの“祭り”に負けず大きな注目を集めた意外性の数々

    きゃりーぱみゅぱみゅ結婚がWBCの“祭り”に負けず大きな注目を集めた意外性の数々

  1. 6
    不倫報道で降板相次いだ声優・櫻井孝宏の「呪術廻戦」続投に肯定派が多いワケ

    不倫報道で降板相次いだ声優・櫻井孝宏の「呪術廻戦」続投に肯定派が多いワケ

  2. 7
    ガーシー容疑者は捜査の「奥の手」使われ白旗か…母親住む実家ガサ入れで号泣配信

    ガーシー容疑者は捜査の「奥の手」使われ白旗か…母親住む実家ガサ入れで号泣配信

  3. 8
    侍ジャパン独身組の“嫁取りラウンド”勃発へ! 板野友美&衛藤美彩がキーパーソン

    侍ジャパン独身組の“嫁取りラウンド”勃発へ! 板野友美&衛藤美彩がキーパーソン

  4. 9
    NHK大河「どうする家康」がダメな元凶…松本潤のダメダメ演技と合戦シーンの手抜きにアリ

    NHK大河「どうする家康」がダメな元凶…松本潤のダメダメ演技と合戦シーンの手抜きにアリ

  5. 10
    佐藤江梨子、MEGUMI、小池栄子は消えず健在…元イエローキャブ40代女優3人の現在地

    佐藤江梨子、MEGUMI、小池栄子は消えず健在…元イエローキャブ40代女優3人の現在地