低PBRの割安株が東証の「喝!」で復活か?

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 今年の市場の特色は、PBR(株価純資産倍率)が低いバリュー(割安)株の急騰が目立っていることだ。昨年末比で年初来高値までの値上がり率は、神戸製鋼が75%、大日本印刷が57%、シチズンが48%、日本製鉄が44%である。

 何が起きたのか、おさらいをしておこう。

 多くの投資家が半ば復活を諦めていた感もある「低PBRの割安株」。その底力を引き出したのは、ほかでもない東証である。今年の1月、東証はPBR1倍割れ企業に「改善計画」の開示を強く要請する方針を決めた。

 まるで東証がアクティビスト(物言う株主)になったようだが、上場企業のほぼ半数がPBR1倍割れ(22年7月)という情けない現状に業を煮やした感がある。この要請により、個別企業の低PBR対策が広がりつつあるのだ。

 大日本印刷を例にとると、同社のPBRは過去10年で1倍を超えたことは一度もなく、昨年末は0.64だった。

 そこで同社は2月に「ROE(自己資本利益率)10%を目標に掲げ、PBR1倍超の早期実現を目指す」として、過去最大の自社株買い計画や政策保有株の削減などを公表した。同社株は1月にアクティビストの米エリオット・マネジメントの保有が明らかになり、資本効率の改善を求められていたが、東証の方針もあり素早い対応に踏み切った。それで株価はハネ上がった経緯がある。

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