近鉄百貨店(上)外商強化で黒字転換を果たす あべのハルカス近鉄本店も売り上げ増に寄与
百貨店のコロナ禍からの業績の回復が本格化してきた。2023年2月期決算は、いずれも3年ぶりに黒字に転換した。
関西の電鉄系百貨店、近鉄百貨店(東証スタンダード)の2月期連結決算は、売上高が前期比9.9%増の1078億円、営業利益が15億円の黒字(22年2月期は13億円の赤字)、最終損益が18億円の黒字(同7億円の赤字)だった。黒字は3期ぶり。未定としていた期末一括配当は10円を実施。同じく3期ぶりに復配を果たした。
新型コロナウイルス対策の外出自粛が解除されたことで来店客数が増加し、あべのハルカス近鉄本店(大阪市阿倍野区)などの改装も寄与した。14年3月に全面開業した超高層複合商業ビル、あべのハルカスは高さ300メートルで、横浜ランドマークタワー(296メートル)を抜き「日本一高いビル」の称号がついて話題になった。
今年、開業10周年を迎える「稼ぎ頭」のあべのハルカス近鉄本店は、衣食住の多様な品目を同じフロアに集める「スクランブルMD」やフランチャイズ(FC)形式で百貨店従業員が店舗運営を行うなどの取り組みが奏功した。