セゾン投信の「積立王子」こと中野晴啓会長退任の裏にスルガ銀行あり
セゾン投信は5月31日の取締役会で、6月1日付で創業者の中野晴啓会長の退任を決めた。中野氏は、親会社のクレディセゾンのドン・林野宏会長と経営の路線を巡り対立したとされ、「不本意な退任だ」(中野氏)との言葉を残し会社を去る。
中野氏は東京都出身で、1987年に明治大学商学部を卒業し、クレディセゾンに入社。同グループの金融子会社で資金運用業務を担当、2006年にセゾン投信を設立し社長に就任した。2014年には日本郵便の資本参加を受け入れ、2017年からゆうちょダイレクトへの商品提供を開始している。「中野氏は金融庁の金融審議会『市場ワーキング・グループ』の中核メンバーで、投資信託協会副会長も務めている。投信業界のカリスマの一人だ」(市場関係者)とされる。
投資哲学は、積み立て投資を長期的に続けることによる資産形成の素晴らしさを主張しており、「積立王子」と称される。長期投資の普及を目指し、日本全国でセミナー活動を精力的に展開している。また、2010年には、コモンズ投信会長の渋沢健、レオス・キャピタルワークスCIO(最高運用責任者)の藤野英人と「草食投資隊」を結成し、話題を集めた。