自民パー券“裏金疑惑”ではダンマリ…高木毅・安倍派事務総長は政治資金問題を追及の過去

公開日: 更新日:

「個々の政治団体や個人の政治活動に関するお尋ねについては、政府の立場としてお答え控えさせていただきます」

 自民党の最大派閥「安倍派」の政治資金パーティーをめぐり、収入の一部を議員側に「キックバック」し、収支報告書に記載していなかった疑いがある問題。4日、2019年9月から約2年間にわたって派閥の事務総長を務めていた松野博一官房長官(61)はこう繰り返し、質問に真正面から答えなかった。

【写真】この記事の関連写真を見る(17枚)

 この問題を巡っては、安倍派だけでなく、二階派の「志帥会」でも「キックバック」が行われ、収支報告書に収入として記載していなかった疑いがあることが判明。疑惑はまさに底なしだが、許されないのは松野氏など派閥関係者から積極的に事実を明らかにしようとする姿勢が感じられないことだ。

 例えば安倍派の事務総長を務める高木毅国対委員長(67)は「慎重に事実関係を確認したい」と繰り返すばかりだが、高木氏は旧民主党の政治資金問題が国会で取りざたされた際、こう発言していた。

「政治資金に関する疑惑に対し、いまだ何らの説明責任が果たされていない状況は、甚だ残念であるとしか言いようがありません。政治資金収支報告書のずさんな虚偽記載のみならず、脱税の可能性まで指摘されており、連日のように疑惑に対する報道が続いております」

「総理は、地検の捜査が進んでいるとして、その全容を国民に語ろうとしませんが、(略)司法当局の捜査とは別に、みずからの言葉で国民に真実を語るべきであります」

「政治と金をめぐって次々と報道される疑惑に対し、これ以上国民の政治不信を招かぬよう、堂々と説明責任を果たすべきであります」(2009年11月の衆院本会議)

 高木氏はまさに今こそ、自分の言葉を振り返り、みずからの言葉で国民に真実を語るべきだろう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし