自民裏金事件は異例の「越年捜査」へ…検察はと“裏金スキーム”首謀者に照準ピタリ

公開日: 更新日:

裏金スキーム変更の経緯を知る事務総長

 検察は安倍派の事務方の会計責任者を立件する方針は固めている。問題は、派閥の実務を取り仕切る事務総長経験者の「共謀」があったかどうかだが、ここへきて、22年5月の政治資金パーティー直前に「裏金スキーム」がいったん変更され、その後、元に戻った経緯が焦点となってきた。

 21年11月に派閥会長となった安倍元首相の意向で22年春ごろ、キックバックの取りやめが議員側に伝達された。この時の事務総長は西村前経産相だ。そして、22年7月の安倍元首相の死去後に方針が撤回され、22年秋ごろ、キックバックが行われた。この時の事務総長は高木前国対委員長だ。

 違法性を認識していたからこその「スキーム変更」と見られてもおかしくない。これほどの大きな変更を事務方だけで決定できるわけがない。西村氏と高木氏は互いに責任を押し付け合っているようだが、2人に司直の手は及ぶのか。

「事件の容疑は収支報告書への不記載。問題となっているパーティーに関する報告書は翌23年に総務省に提出されており、提出時の事務総長は高木氏です。高木氏がキックバックをやめるやめないの経緯を了承していれば、高木氏が提出時の共謀を問われる可能性があります。西村氏は提出時の事務総長ではないので、一連の経緯への深い関与があったかどうかがポイントになります」(落合洋司弁護士)

 高木氏らにも正月三が日の呼び出しがあるのか。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ヤクルトのドラフトは12球団ワースト…「余裕のなさ」ゆえに冒険せず、好素材を逃した気がする

  2. 2

    「汽車を待つ君の横で時計を気にした駅」は一体どこなのか?

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    コメ増産から2カ月で一転、高市内閣の新農相が減産へ180度方針転換…生産者は大混乱

  5. 5

    オリックスまさかのドラフト戦略 「凶作」の高校生総ざらいで"急がば回れ"

  1. 6

    ヤクルト2位 モイセエフ・ニキータ 《生きていくために日本に来ました》父が明かす壮絶半生

  2. 7

    オリ1位・麦谷祐介 暴力被害で高校転校も家族が支えた艱難辛苦 《もう無理》とSOSが来て…

  3. 8

    “代役”白石聖が窮地を救うか? 期待しかないNHK大河ドラマ『豊臣兄弟』に思わぬ落とし穴

  4. 9

    福山雅治は"フジ不適切会合参加"報道でも紅白で白組大トリの可能性も十分…出場を容認するNHKの思惑

  5. 10

    バスタオル一枚の星野監督は鬼の形相でダッシュ、そのまま俺は飛び蹴りを食らった