円安で押し寄せる負担の荒波…GWは「食品値上げ」と「電気・ガス月1500円増」に備えよ

公開日: 更新日:

「最近の急速な円安・ウォン安への日韓の深刻な懸念を認識する」──。きのう(18日=日本時間)から米ワシントンで始まったG20財務相・中央銀行総裁会議は、それに先立ち日米韓3カ国の財務相が通貨安への懸念を共有する異例の展開となった。「1ドル=155円」の攻防が続く中、米韓を巻き込んで円安を牽制しても、歯止めをかけられそうにない。円安の長期化で家計は苦しくなるばかりだ。

 ◇  ◇  ◇

 18日の円相場は、日米韓が共同で「円安・ウォン安の懸念」を表明した後も、1ドル=154円台前半でもみ合い。政府・日銀の為替介入を警戒した動きと交錯しているが、34年ぶりの円安水準に張りついたままだ。

 円安が長引けば、コストプッシュ型のインフレが進み、モノの値段は上がる。帝国データバンク(TDB)の調査によると、今年の値上げ品目数は7月までの累計で6433品目。年間の平均値上げ率は昨年が15%だったが、今年は19%に上るという。

「円安に加え、原油価格の高騰も懸念されます。昨年秋ごろから円安や原材料高を背景とした値上げは一服していましたが、足元の状況は、秋に値上げが相次いだ2年前と酷似しています。現状は購買力の低下を避けるため、値下げ圧力が強いものの、今秋以降に円安の影響が出てくる可能性があります」(TDB情報統括本部・飯島大介氏)

 5月は家庭用オリーブオイルが約20~80%、缶やペットボトル飲料などが約8~14%値上げされる予定だ。今のところ5~7月の値上げ品目数は、加工食品や酒類、菓子を中心に約1000品目にとどまるものの、年間で最大1.5万品目の値上げが想定されている。

 ただでさえ、家計を逼迫する要因に事欠かないのに、さらに重くのしかかるのが電気・ガス代の値上げだ。

 5月使用分(6月請求)の家庭向け電気・ガス料金は大手電力10社、都市ガス4社の全社で、前月よりも値上がりする。

 要因は、政府が昨年1月から実施してきた「電気・ガス価格激変緩和対策事業」に基づく補助金が半減するため。電気の補助額は1キロワット時あたり3.5円から5月使用分は同1.8円に、ガスは1立方メートルあたり15円から同7.5円に縮小する。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    進次郎農相の「500%」発言で抗議殺到、ついに声明文…“元凶”にされたコメ卸「木徳神糧」の困惑

  2. 2

    進次郎大臣は連日の視察とTV出演で大ハシャギ…ムチャぶりされる農水省は“ブラック企業化”のお気の毒

  3. 3

    ドン・キホーテが進次郎農相に異例の「直訴」…コメ流通は消費者ファーストではないのか? 識者が解説

  4. 4

    三井化学が石油化学事業を分社化…その先で描くのは過剰な同業他社との再編だ

  5. 5

    大阪万博は値下げ連発で赤字まっしぐら…今度は「駐車場料金」を割引、“後手後手対応”の根本原因とは

  1. 6

    自公政権の無策で失われていく庶民の味…「カレー」「ラーメン」「焼き肉」「洋菓子」「ステーキ」すべて倒産件数最多

  2. 7

    進次郎農相「コメ卸業者が営業利益500%増」発言で飛び交う「価格カルテル」疑惑と「コメの先物取引」で懸念されていたこと

  3. 8

    6月15日に開催G7サミットはトランプ関税で「会議は踊る、されど進まず」状態に

  4. 9

    マツキヨココカラ×コスモス薬品 節約生活の味方ドラッグストア大手を比較

  5. 10

    「プーチン心停止で影武者代行」情報…訪中大失敗のストレス、ロ国内に広がる大統領5選は無理の空気

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも