著者のコラム一覧
小林佳樹金融ジャーナリスト

銀行・証券・保険業界などの金融界を40年近く取材するベテラン記者。政界・官界・民間企業のトライアングルを取材の基盤にしている。神出鬼没が身上で、親密な政治家からは「服部半蔵」と呼ばれている。本人はアカデミックな「マクロ経済」を論じたいのだが、周囲から期待されているのはディープな「裏話」であることに悩んで40年が経過してしまった。アナリスト崩れである。

北越&大王の業務提携は“圧力”かわす狙いか…6月株主総会控えアクティビストとの熱い戦い

公開日: 更新日:

 北越コーポレーションは15日、大王製紙と戦略的業務提携を締結したことに伴い、持ち分法適用会社として保有している大王製紙株について「必要な範囲で削減する」との方針を示した。北越は今年3月末時点で大王株を約25%保有している筆頭株主だ。戦略的提携により両社の関係が「新たなステージを迎えた」として資本関係の見直しに入る。

 だが、この動きについて市場関係者は、「北越は香港のアクティビスト(物言う株主)オアシス・マネジメントから6月27日の株主総会に向け岸本晢夫社長の解任提案を突き付けられている。戦略的提携や大王株削減は、その圧力をかわすのが狙いだろう」と見方を示す。

 オアシスは北越株の約18%を保有する第2位の株主だ。岸本社長の解任に加え、現任の4人の社外取締役の解任も求めている。「オアシスは2019年以降、北越に大王株の売却を求めてきたが、北越は従わなかったため、昨年の株主総会の開催前にも、他の株主に岸本社長の再任案に反対票を投じるよう呼びかけていた」(メガバンク幹部)という。

 オアシスは、岸本氏は代表取締役社長として在任した16年間、経営に失敗したと指摘。今回の大王株削減方針についても、オアシスの最高投資責任者であるセス・フィッシャー氏は「具体性を欠く」と批判している。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  2. 2

    PR会社社長ダンマリ一転、全部ブチまけ“逆襲”の可能性…note投稿は斎藤知事と事前合意済みか

  3. 3

    斎藤元彦知事の選挙収支報告書で露呈した“隠蔽工作”の跡 PR会社への支出は代表務める政治団体経由という不可解

  4. 4

    杉田水脈がハシゴ外され参院転出に“赤信号”…裏金非公認の免罪符「政倫審」弁明は現職のみ

  5. 5

    どうなる?「トリガー条項」…ガソリン補助金で6兆円も投じながら5000億円の税収減に難色の意味不明

  1. 6

    不動産投資信託「J-REIT」低迷のワケ…マンションさらに高騰、オフィスも堅調なのにナゼ?

  2. 7

    帝国データバンクが発表 企業倒産「31カ月連続増加」の深刻…年末年始が心配だ

  3. 8

    企業・団体献金「廃止」を拒む組織内議員の実態…前回参院選直前には労組関連から5.3億円

  4. 9

    自民裏金議員にまた公選法違反疑惑…福島地盤元職の関係先が家宅捜索されたと地元紙スッパ抜く

  5. 10

    「日本電解」経営破綻が波紋…上場企業では今年初、再建の道筋いまだ見えず

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・大山悠輔「5年20億円」超破格厚遇が招く不幸…これで活躍できなきゃ孤立無援の崖っぷち

  2. 2

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  3. 3

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  4. 4

    W杯最終予選で「一強」状態 森保ジャパン1月アジア杯ベスト8敗退からナニが変わったのか?

  5. 5

    悠仁さまは東大農学部第1次選考合格者の中にいるのか? 筑波大を受験した様子は確認されず…

  1. 6

    指が変形する「へバーデン結節」は最新治療で進行を食い止める

  2. 7

    ジョン・レノン(5)ジョンを意識した出で立ちで沢田研二を取材すると「どっちが芸能人?」と会員限定記事

  3. 8

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  4. 9

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  5. 10

    「踊る大捜査線」12年ぶり新作映画に「Dr.コトー診療所」の悲劇再来の予感…《ジャニタレやめて》の声も