著者のコラム一覧
小林佳樹金融ジャーナリスト

銀行・証券・保険業界などの金融界を40年近く取材するベテラン記者。政界・官界・民間企業のトライアングルを取材の基盤にしている。神出鬼没が身上で、親密な政治家からは「服部半蔵」と呼ばれている。本人はアカデミックな「マクロ経済」を論じたいのだが、周囲から期待されているのはディープな「裏話」であることに悩んで40年が経過してしまった。アナリスト崩れである。

湘南美容外科の親会社が米ナスダックに上場した狙い 創業者・相川佳之氏はシンガポールに転居

公開日: 更新日:

 また、難病の子供たちへの支援などにも熱心で、2011年にカンボジアに2棟の小学校を建設。「情熱小学校」と名付けた。グループを挙げて瀬戸内海の無医村診療に取り組んでいる。

■創業以来、増収増益で運営

「湘南美容クリニックは創業以来、23年間、増収増益を続け、無借金で運営してきました」(相川氏)という。

 ただ、「美容や脱毛、エステ業界は信用不安を含めて悪評だらけの会社が多いのですが、その中にあって湘南美容クリニックは財務内容も良好で、サービス面も高く評価されています。しかし、医療については、研修医の美容医療への即時就職はこれから難しくなるとされており、成長鈍化が予測される。そのため海外に活路を見いだすためにナスダック上場を選んだのでしょう」(メガバンク幹部)とされる。

 相川氏も「日本だと医療機関は上場できないため、資金を調達する場合は、銀行から借りるしかありません。また、病院は土地建物付きが多いので、バランスシートが重たく、大きめの病院だと100億、200億ほどの資金が必要です。これを自己資金でM&Aを実施していくのは難しいです」と語っている。

 相川氏は2023年8月、シンガポールに転居した。「シンガポールへの転居は税金対策もあるのだろうが、ナスダック上場で得た資金でより事業のグローバル化に拍車がかかるのではないか」(大手証券幹部)とみられている。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  2. 2

    大阪万博は開幕1カ月を待たずトラブル続出…場当たり説明でGW後半の盛り上げムードに水を差す協会の大罪

  3. 3

    赤沢経済再生相「2回目」関税交渉に早くも不発の予兆…切り札の“ジープ特例”ほぼ効果なしと識者バッサリ

  4. 4

    何者かが無断でクリームパン訪問販売…「八天堂」も被害か? 状況は「清水屋」に酷似

  5. 5

    ついに出た4つ目のクラウン、新型エステート登場! コイツがもしや“ベスト”なのか?

  1. 6

    国内自動車大手6社で減益4兆円の恐れ…トランプ関税と円高のWパンチで「我が世の春」の終焉

  2. 7

    トランプ関税で「過去80年間の世界経済システムがリセットされた」 IMFの警告が示唆するもの

  3. 8

    「プーチン心停止で影武者代行」情報…訪中大失敗のストレス、ロ国内に広がる大統領5選は無理の空気

  4. 9

    飛び交う玉木雄一郎代表「12月辞任説」…国民民主党ついに倫理委員会で“グラドル不倫”調査

  5. 10

    データセンターの地方分散が急加速 首都圏や大阪圏への集中から北海度、九州へ

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  2. 2

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  3. 3

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  1. 6

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  2. 7

    JLPGA専務理事内定が人知れず“降格”に急転!背景に“不適切発言”疑惑と見え隠れする隠蔽体質

  3. 8

    「俳優座」の精神を反故にした無茶苦茶な日本の文化行政

  4. 9

    (72)寅さんをやり込めた、とっておきの「博さん語録」

  5. 10

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動