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小沢コージ自動車ジャーナリスト

雑誌、web、ラジオ、テレビなどで活躍中の自動車ジャーナリスト。『NAVI』編集部で鍛え、『SPA!』で育ち、現在『ベストカー』『webCG』『日経電子版』『週刊プレイボーイ』『CAR SENSOR EDGE』『MONOMAX』『carview』など連載多数。TBSラジオ『週刊自動車批評 小沢コージのカーグルメ』パーソナリティー。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)、『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)、『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた 27人のトビウオジャパン』(集英社)など。愛車はBMWミニとホンダN-BOXと、一時ロールスロイス。趣味はサッカーとスキーとテニス。横浜市出身。

ホンダ シビックRSって、こんなに手を加えてたの? ヤリ過ぎ凝り過ぎ419万円也(ちと高いけど…)

公開日: 更新日:

ホンダ シビック RS(車両価格:¥4,198,700/税込み)

「足周りのバネダンパーだけじゃありません。ブッシュにフライホイールにブレーキまでイジてます」(開発エンジニア)。

 9月のマイナーチェンジと同時に追加されたホンダ シビックの新6速MT専用スポーツグレード、RSに乗ってきた。70年代の初代にも用意されていたグレードでRSは「ロードセーリング」の略。現行シビックには「タイプR」なる硬派スポーツグレードもあるが、あちらは「レーシング」の意味。「セーリング」というだけあって、より気軽な街乗り最適スポーツグレードってことだ。

 パッと見、手が加えられている部分は少ない。パワートレインは基準ガソリン車と同じ1.5ℓ直4ターボで、182ps&240Nmのピークパワー&トルクはまったく変わらない。

 外装も基本的なヘッドライトデザインや網目フロントグリルはマイナーチェンジで一新された通りだし、専用パーツは前後のRSエンブレムやライト回りのブラックの差し色、ベルリナブラックの専用18インチアルミホイールや、これまたブラックされたホイールナットやマフラーエンド、シャークアンテナぐらい。

 内装もほぼ既存ガソリングレードのEXに準じており、プライムスムース&ウルトラスエードの上質シート生地や新採用のGoogleアシスタント搭載の9インチホンダコネクトナビや本革ステアリングは変わらない。

 ただし、これまた随所に赤ステッチやストライプが入っていて、実車に触ると結構手が入っているのがわかる。

実際に走ってスポーツ風味な仕上がりにビックリ

 肝心の足周りだが、車高を5mm落としたスポーツサスだけじゃない。強化バネ&ダンパーに加え、サス付け根に付くゴムブッシュも専用だし、フロントブレーキローターも15インチから16インチにアップ。

 オマケに専用6MTには自動で回転差を合わす、タイプR譲りでかつ微妙に進化したレブマッチシステムが付いてるし、このマイチェンからRSにも「スポーツ」「ノーマル」「ECON」が選べるモード切替スイッチも付く。

 何より実際に走ってちとビックリ。足周りがほど良く締め上げられ、シャープなハンドリングやブレーキフィールが味わえるうえ、今までのシビックMTよりもエンジンの吹けが微妙にいいのだ。

 聞けばパワー特性は変えてないが、エンジンの回り具合を変えるフライホールもRS専用に軽量化。

 一見内外装の一部カラーリングとサスペンションを変えただけのようで、全体の走り味をトータルでスポーツ風味に仕上げているのだ。

すでに予定の10倍の受注が

 確かに、サーキットを激速で走りたい人なら330psの2ℓターボ搭載のシビック タイプRだろう。

 だが足が硬くって街中じゃ時に不快になるし、音もウルサく、デカいウィングも少々ガキっぽい。

 そう考えると、街で普通に運転を楽しみたい人にはこの6MT専用車、RSぐらいがちょうどいいのだ。

 最大の問題は、今回のマイチェンでシビック全体の価格が上がり、ベーシックなガソリンLXでも344万円、ハイブリッドのe:HEVだと430万円もすることと、このRSがガソリンモデルでは最高の419万円強なこと。昔なら200万~300万円で買えた大衆スポーツハッチが400万円超えだなんて、マジで今の物価高騰は恐ろしい。

 しかし聞けば、新型RSは発売好調で、予定の10倍の受注が入ってるとか。それもクルマ好き20代のヤングとその50代親が買ってるケースも多いようで、ここに来て意外なるスポーツシビックの親子鷹人気。

 これで若者のクルマ離れ…なんて言葉が消えたら嬉しいんですけどね(笑)。

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