一世風靡したあのディスカウント店の初期に「大儲け」を予感の私が考える10倍伸びる株の見つけ方

公開日: 更新日:

 買った株が大幅に値上がりしたーー。

 株式投資をしている人のそんな逸話を耳にすると、うまくいっていない人や株式投資の経験のない人は「本当なのか」と訝るかもしれない。しかし、1冊で2000ページにも及ぶ『会社四季報』を27年間で108冊全ページ読破する渡部清二さんは、「10倍株は誰でも見つけられる」と言う。新著「そろそろ投資をはじめたい。」(サンマーク出版)より一部抜粋、再構成してお届けする。

  ◇  ◇  ◇

 株式投資において、私が行きついた法則は「株式市場は森羅万象を含む。ただし、勉強したものに微笑む」というものです。つまり、株に関心を持って勉強はしなければいけません。

 とはいえ、投資の世界にも、ギャンブルの世界でよくいわれる「ビギナーズラック」があるのも事実です。

 私が塾長を務める投資・経済スクール「複眼経済塾」でも、完全な投資初心者が1年ほどで2、3倍になる銘柄を見つけることもよくあり、10倍株を見つける猛者もいます。

 かくいう私も、10倍株の魅力に取りつかれたのはビギナーズラックからでした。今から遡ることおよそ四半世紀前の1998年。私は当時勤めていた野村證券の先輩からの厳しい指導で、四季報を長編小説のように1ページ目から最終ページまで約2000ページすべて読む「四季報読破」に邁進していました。

「四季報読破」を始めて1年経った読破4冊目、1998年4集秋号を読んでいたときのことです。私の目に一つの銘柄が飛び込んできました。当時の私は、その銘柄を証券セールスとしてお客様に勧めました。

 それはかつて存在したシートゥーネットワークという銘柄で、加工食品のディスカウントストア「つるかめランド」を、関東地方を中心に展開する企業の株でした。今では小売店の創意工夫による「安売り」は当たり前になりましたが、当時はまだ珍しく、つるかめランドでは加工食品をどこよりも安く販売していたのです。

 このシートゥーネットワークこそが、私が初めて見つけた10倍株銘柄でした。

 さて、安売りが常識ではなかった時代になぜシートゥーネットワークはつるかめランドで安売りを実現できたのでしょうか。それには理由がありました。

 その理由とは、ナショナルブランドのトップブランドではなく、当時は一般的ではなかったセカンドブランドを取り揃えていたことでした。例えば、マヨネーズ一つとっても「キユーピー」ではなく、値段は安くても味は確かな「ケンコーマヨネーズ」を扱うというものです。

 当時の社長は「みなさまはケンコーマヨネーズの名は知らないかもしれませんが、おいしいと思いますよ。なぜなら、みなさまが好きなマクドナルドでも使われているからです」と話していました。

 このからくりの面白さ、そして当時始まりかけていたデフレの影響を考え、「この企業は伸びる」と判断し、お客様に買ってもらったのです。

(※その後、シートゥネットワークはM&Aにより2003年に上場廃止され、「つるかめランド」は事実上なくなっています)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    二階堂ふみと電撃婚したカズレーザーの超個性派言行録…「頑張らない」をモットーに年間200冊を読破

  2. 2

    参政党・梅村みずほ議員の“怖すぎる”言論弾圧…「西麻布の母」名乗るX匿名アカに訴訟チラつかせ口封じ

  3. 3

    キンプリ永瀬廉が大阪学芸高から日出高校に転校することになった家庭事情 大学は明治学院に進学

  4. 4

    さらなる地獄だったあの日々、痛みを訴えた脇の下のビー玉サイズのシコリをギュッと握りつぶされて…

  5. 5

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  1. 6

    山本舞香が義兄Takaとイチャつき写真公開で物議…炎上商法かそれとも?過去には"ブラコン"堂々公言

  2. 7

    萩生田光一氏に問われる「出処進退」のブーメラン…自民裏金事件で政策秘書が略式起訴「罰金30万円」

  3. 8

    二階堂ふみ&カズレーザー電撃婚で浮上したナゾ…「翔んで埼玉」と屈指の進学校・熊谷高校の関係は?

  4. 9

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 10

    日本ハム中田翔「暴力事件」一部始終とその深層 後輩投手の顔面にこうして拳を振り上げた