著者のコラム一覧
森岡英樹経済ジャーナリスト

1957年生まれ。早稲田大学卒業後、 経済記者となる。1997年、米コンサルタント会社「グリニッチ・ アソシエイト」のシニア・リサーチ・アソシエイト。並びに「パラゲイト ・コンサルタンツ」シニア・アドバイザーを兼任。2004年にジャーナリストとして独立。

日産の命運を握るのは…米投資ファンドKKRとみずほ銀行、そして元役員なのだ

公開日: 更新日:

 ホンダと日産自動車は2月13日の取締役会で、経営統合の協議を打ち切ることを決めた。世界3位の自動車グループを目指す日本車連合は夢と消えた。ホンダの三部敏宏社長、日産の内田誠社長はそれぞれ記者会見を開き経緯を説明した。

 両社の統合話が正式に破談したことで、次の焦点は日産の生き残り策に移る。

「カギを握るのは、米投資ファンド・KKRと日産のメインバンクであるみずほ銀行、そしてINCJ(旧産業革新機構)も絡んでくるかもしれない」(メガバンク幹部)という。

 日産は、すでにKKRを引受先とした増資も含めさまざまな資金調達の手段について協議に入っている。協議はまだ初期段階だが、KKRは日産への出資や融資も選択肢にあるとしている。「このままでは日産は生き残れないとして、市場からアタックを受けかねない」(市場関係者)ためだ。

 日産が13日発表した今期(25年3月期)の純損益は800億円の赤字に転落する。昨年7月に公表していた計画(3000億円の黒字)から一転赤字となる。赤字転落で株価暴落となれば、日産に触手を伸ばす台湾・鴻海精密工業にTOB(株式公開買い付け)をかけられ、買収されかねない。鴻海の時価総額は約12兆円、同約1.63兆円(2月18日終値)の日産をのみ込むのはたやすい。すでに鴻海の幹部は日産株式36%を保有する仏ルノー幹部と接触し、株式を買い取る意向があることを伝えている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    渋野日向子に「ジャンボ尾崎に弟子入り」のススメ…国内3試合目は50人中ブービー終戦

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  5. 5

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  1. 6

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  2. 7

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  3. 8

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  4. 9

    後藤真希と一緒の“8万円沖縄ツアー”に《安売りしすぎ》と心配の声…"透け写真集"バカ売れ中なのに

  5. 10

    沢口靖子も菅田将暉も大コケ不可避?フジテレビ秋ドラマ総崩れで局内戦々恐々…シニア狙いが外れた根深い事情