日産の命運を握るのは…米投資ファンドKKRとみずほ銀行、そして元役員なのだ
ホンダと日産自動車は2月13日の取締役会で、経営統合の協議を打ち切ることを決めた。世界3位の自動車グループを目指す日本車連合は夢と消えた。ホンダの三部敏宏社長、日産の内田誠社長はそれぞれ記者会見を開き経緯を説明した。
両社の統合話が正式に破談したことで、次の焦点は日産の生き残り策に移る。
「カギを握るのは、米投資ファンド・KKRと日産のメインバンクであるみずほ銀行、そしてINCJ(旧産業革新機構)も絡んでくるかもしれない」(メガバンク幹部)という。
日産は、すでにKKRを引受先とした増資も含めさまざまな資金調達の手段について協議に入っている。協議はまだ初期段階だが、KKRは日産への出資や融資も選択肢にあるとしている。「このままでは日産は生き残れないとして、市場からアタックを受けかねない」(市場関係者)ためだ。
日産が13日発表した今期(25年3月期)の純損益は800億円の赤字に転落する。昨年7月に公表していた計画(3000億円の黒字)から一転赤字となる。赤字転落で株価暴落となれば、日産に触手を伸ばす台湾・鴻海精密工業にTOB(株式公開買い付け)をかけられ、買収されかねない。鴻海の時価総額は約12兆円、同約1.63兆円(2月18日終値)の日産をのみ込むのはたやすい。すでに鴻海の幹部は日産株式36%を保有する仏ルノー幹部と接触し、株式を買い取る意向があることを伝えている。
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