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森岡英樹経済ジャーナリスト

1957年生まれ。早稲田大学卒業後、 経済記者となる。1997年、米コンサルタント会社「グリニッチ・ アソシエイト」のシニア・リサーチ・アソシエイト。並びに「パラゲイト ・コンサルタンツ」シニア・アドバイザーを兼任。2004年にジャーナリストとして独立。

日産の命運を握るのは…米投資ファンドKKRとみずほ銀行、そして元役員なのだ

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■マレリと共倒れを警戒

 日産がKKRに泣きつくのには理由がある。大手部品メーカー・マレリの再建と絡むためだ。マレリの前身は日産の子会社、旧カルソニックカンセイで、KKRが17年に買収し、19年に旧マニエッティ・マレリと統合した。その後、リストラの遅れや日産の減産などの影響で業績が悪化。1兆1000億円超の負債総額を抱え、民事再生の一種の「簡易型」で、22年から再建を進めている。だが、再建は思うように進まず、昨年末には、ドイツ銀行やみずほ銀行などの銀行団と180億円の融資返済を一時猶予することで合意した。マレリの主力取引先は日産自動車やステランティスなど。その業績悪化で、部品販売が影響を受けているためだ。

「日産のメインバンクのみずほ銀行は、マレリと日産が共倒れになることを懸念している」(大手信用情報機関幹部)という。

 みずほ銀行の日産担当役員は、杉田健二常務執行役員だ。作家・高杉良氏の子息で、日本興業銀行出身。父の企業小説「落日の轍 小説日産自動車」をなぞるような役回りだ。また、日産側の社外取締役には、同じ興銀出身で、「濹東綺譚」の作者で名高い文豪・永井荷風の親戚で、みずほ信託銀行副社長も務めた永井素夫氏が監査委員会委員長として入っている。

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