誰トク?広がる地方私大の公立化…見送られた千葉科学大は「加計学園」が運営撤退も大学存続

公開日: 更新日:

 その一つが私立と違い学費が安いため、全国から志願者が集まりやすい点だ。

「学生の増加は地元経済にプラスに働くので、地域振興につながります。さらに私大時代はほぼ無試験で入学できましたが、以前より優秀な層が受験するので、本来の教育が実施できます。その結果、就職実績も大幅に改善します」(石渡嶺司氏)

 自治体にとって財政負担にならないのか。

「貸し付けも含め、当該自治体が数十億円から数百億円の出資をすることになりますが、運営は地方交付税で賄われることになります。ただ、校舎や施設が老朽化した場合、建て替え費用などは自治体の独自財源を充てることになります。さらに、私学助成金がカットされたことで、負担が増えた大学もあります。地方交付税が使われるので、結局は国ぐるみで面倒をみていることになります」(石渡嶺司氏)

 公立化が実現しない場合でも、今回の千葉科学大のように新たな引き受け手が出てくる可能性が実は少なくないという。

「大学を一から立ち上げるより時間やコストが抑えられるので、大学経営を志向している地方の学校法人にとってメリットは小さくないようです」(石渡嶺司氏)

 現在も公立化を要望している私大は少なくないが、少子化が進む中、単なる公立化は延命策でしかないという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  2. 2

    ヤクルト「FA東浜巨獲得」に現実味 村上宗隆の譲渡金10億円を原資に課題の先発補強

  3. 3

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手

  4. 4

    早大が全国高校駅伝「花の1区」逸材乱獲 日本人最高記録を大幅更新の増子陽太まで

  5. 5

    timelesz篠塚大輝“炎上”より深刻な佐藤勝利の豹変…《ケンティとマリウス戻ってきて》とファン懇願

  1. 6

    早瀬ノエルに鎮西寿々歌が相次ぎダウン…FRUITS ZIPPERも迎えてしまった超多忙アイドルの“通過儀礼”

  2. 7

    国民民主党“激ヤバ”女性議員ついに書類送検! 野党支持率でトップ返り咲きも玉木代表は苦悶

  3. 8

    池松壮亮&河合優実「業界一多忙カップル」ついにゴールインへ…交際発覚から2年半で“唯一の不安”も払拭か

  4. 9

    波瑠のゴールインだけじゃない? 年末年始スクープもしくは結婚発表が予想される大注目ビッグカップル7組総ざらい!

  5. 10

    アヤックス冨安健洋はJISSでのリハビリが奏功 「ガラスの下半身」返上し目指すはW杯優勝