「ルンバ」のアイロボット社に事業継続困難疑惑…代表執行役員社長が舞台裏を説明
「2019年から世界的にコロナ禍になり、巣ごもり需要でロボット掃除機は販売数を大きく伸ばしました。しかしコロナが落ち着いた反動で売り上げが落ちました。シェアが大きいほど影響も大きいので、この点を決算書に載せました。米国の上場企業は継続企業の前提に関する重要な疑義を認識した場合には、これらの事象・状況を解消または大幅に改善させるための対応策または経営計画を策定し、その内容を財務諸表等に注記する義務があるからです」(挽野氏)
ネットではこの部分が切り取られたわけだ。
それ以外にも、次のような背景もある。現在、ロボット掃除機の開発は、「床拭き」掃除に入っている。床拭きは水を使うため、メンテナンス頻度が極端に上がる。年に数回のメンテでよかった吸引掃除に対し、使うたびにメンテが必要となるのだ。ロボット掃除機=任せて掃除を忘れるという状況が一変した。開発投資費用は増すし、製品数が増えるため収益性も落ちる。いろいろな壁がある。
筆者はメーカー出身なので、メーカーで一番重要なのは「製品」だと認識している。ユーザーは経営者でなく製品と付き合うからだ。しかし昨年の同社のモデルには戸惑った。ほとんどが拭き掃除モデルだったからだ。