ウエルシアとツルハが経営統合…親会社イオンの狙いは“グローバルドラッグチェーン”の実現か?
だが、真の狙いはさらに気宇壮大だ。「世界に伍するグローバルドラッグチェーンの実現にある」(市場関係者)という見方が有力だ。両社の統合はその布石であり、「さらなる再編が見込まれる」(同)という。
鍵を握るのはウエルシアの親会社であり、ツルハと提携関係にあるイオンの思惑だ。統合では、株式交換によりツルハHD傘下にウエルシアHDが入る。その後、イオンが統合後のツルハHDに対してTOB(株式公開買い付け)を実施し、持ち株比率を50.9%まで高めて連結子会社化するスキームとなっている。「イオンは、規模で下回るツルハの傘下にウエルシアを入れることで、創業家(鶴羽樹会長、鶴羽順社長)の顔を立てる配慮も欠かさなかった」(メガバンク幹部)というのだ。
■ツルハの窮地を救ったイオン
きっかけは、ツルハへのアクティビストの攻勢だった。23年6月、香港の投資ファンド「オアシス・マネジメント」がツルハの「創業家による企業支配」を問題視し、鶴羽順社長の父・鶴羽樹氏が就く取締役会長職の廃止や、社外取締役候補5人の選任などを要求した。


















