著者のコラム一覧
森岡英樹経済ジャーナリスト

1957年生まれ。早稲田大学卒業後、 経済記者となる。1997年、米コンサルタント会社「グリニッチ・ アソシエイト」のシニア・リサーチ・アソシエイト。並びに「パラゲイト ・コンサルタンツ」シニア・アドバイザーを兼任。2004年にジャーナリストとして独立。

ウエルシアとツルハが経営統合…親会社イオンの狙いは“グローバルドラッグチェーン”の実現か?

公開日: 更新日:

 だが、真の狙いはさらに気宇壮大だ。「世界に伍するグローバルドラッグチェーンの実現にある」(市場関係者)という見方が有力だ。両社の統合はその布石であり、「さらなる再編が見込まれる」(同)という。

 鍵を握るのはウエルシアの親会社であり、ツルハと提携関係にあるイオンの思惑だ。統合では、株式交換によりツルハHD傘下にウエルシアHDが入る。その後、イオンが統合後のツルハHDに対してTOB(株式公開買い付け)を実施し、持ち株比率を50.9%まで高めて連結子会社化するスキームとなっている。「イオンは、規模で下回るツルハの傘下にウエルシアを入れることで、創業家(鶴羽樹会長、鶴羽順社長)の顔を立てる配慮も欠かさなかった」(メガバンク幹部)というのだ。

■ツルハの窮地を救ったイオン

 きっかけは、ツルハへのアクティビストの攻勢だった。23年6月、香港の投資ファンド「オアシス・マネジメント」がツルハの「創業家による企業支配」を問題視し、鶴羽順社長の父・鶴羽樹氏が就く取締役会長職の廃止や、社外取締役候補5人の選任などを要求した。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  2. 2

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  3. 3

    元日本代表主将DF吉田麻也に来季J1復帰の長崎移籍説!出場機会確保で2026年W杯参戦の青写真

  4. 4

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  5. 5

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 7

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 8

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾