高野孟
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高野孟ジャーナリスト

1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。

小細工を弄して勝った選挙が政権の信任を意味するものか

公開日: 更新日:

 4月27日投開票の衆院鹿児島2区補選で、自民党公認の金子万寿夫候補が民主党など野党4党が推す打越明司候補に2万票の差で勝利したのを受けて、安倍晋三首相は「進めてきた政策に一定の評価をいただいたと思う」と胸を張った。しかし、自ら現場に張り付いてこの選挙を戦った民主党の馬淵澄夫選対委員長は「今回の結果は政権の信任を意味しない」と言い切る。

 まず、選挙戦を通じて自民候補は集団的自衛権など安全保障やTPPなど、直前の日米首脳会談で焦点となった問題には一切触れず、もっぱら地域経済振興と公共事業拡大ばかりを訴えた。“安倍政治”の評価など初めから争点になっていないのだ。

 それどころか安倍は、この選挙に影響が出ることを恐れて、日米共同声明にTTP「大筋合意」の文言を入れることを必死の思いで回避した。裏では、「牛肉関税38.5%から9%以上へ、豚肉は現行4.3%を半減」という密約をオバマに手土産として渡したに違いないのだが、もしこれが表に出れば、豚畜産農家数で全国第1位、肉牛畜産農家数で第2位の鹿児島県では怒りが爆発して、自民党陣営は選挙にならなかっただろう。さらに、牛肉・豚肉と並ぶもうひとつの聖域であるサトウキビについても、仮に密約が交わされていてそれが漏れたとすれば、沖縄県と並ぶ産地である奄美群島をも直撃しただろう。

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