<第6回>国会議員はもっと闘う姿勢を見せるべき
沖縄県の米軍普天間基地の辺野古移設で、政府が工事の1カ月中断を決めた。これは安倍政権が追い込まれていることの表れだと思う。あれだけ強行に進めてきたのに、中断せざるを得なくなったのは、県民だけでなく、国民全体が、安倍首相の強権的な姿勢と戦前回帰的な思想に、どんどん批判的になってきたからだ。安保法案で「潮目」が変わった。辺野古の問題がそれに重なって、安倍政権にいま、大きな逆風が吹き始めている。工事中断は1カ月と言っているが、いったん止めたら、再開は難しくなるだろう。
とにかく安倍首相には信念や理念というものがないのだと思う。自分の頭で論理的に考え、結論を出していないから、いざ逆風が吹いてくると、どうしても気持ちが揺らいでしまう。強気も弱気も風次第。情緒的な感覚で政治をやっているように見える。辺野古移設や安保法案の是非は別として、国のため、国民のために、何としても必要だと思うのなら、自らの主張を貫き通せばいい。途中で腰折れになってしまうようでは、トップリーダーとして失格。安倍さんにトップリーダーは、荷が重すぎるのではないか。
首相補佐官の暴言などもあり、安倍政権に対する国民の視線は、ますます冷ややかになっている。野党にとって、いまは攻勢をかけるべき時だ。ところが国会では、相変わらず、枝葉の議論ばかり。後方支援での弾薬の提供をめぐって、「手りゅう弾はいいのか」「ロケット弾はどうなのか」などと野党が質問している。これでは安倍首相の思うツボで、ごまかしの言葉遊びに引っ張り込まれてしまう。何度も言っているが、どうしてもっと本質的な議論ができないのか。