何を改革すべきか分からない現政権の困った姿
安倍首相が国会審議で、アベノミクスの成果をやたらと強調しているが、「一進一退を続ける日本経済の再生にアベノミクスはあまり大きな成果をあげていない」と酷評したのは、米国の経済情報サイト・ブルームバーグ(8日付)だ。
この評価はブルームバーグが実施したエコノミスト調査に基づくもの。23人のエコノミストに、3年間にわたるアベノミクスの効果を聞くと、総合評価は10点満点で4.6点。落第点をつけられてしまった。
ブルームバーグの指摘通り、この3年の日本の景気はまさに「一進一退」だ。消費増税後の14年4~6月期と7~9月期は2四半期連続のマイナス成長を記録。昨年も4~6月期と10~12月期はマイナスで、GDPは浮き沈みを繰り返す。
詰まるところ、この3年のGDPをならせば、上げ幅ゼロで成長なし。アベノミクスの「3本の矢」も「新3本の矢」も、日本経済を元気にしたと言える状況ではない。
今週発表の15年10~12月期の2次速報も1次速報から上方修正とはいえ、上げ幅はたった0.1ポイント。わずかながらの上振れ要因は、民間在庫の寄与度が0.1%減からゼロ、設備投資も1.4%増から1.5%増と小幅に増えた程度で、逆に個人消費は0.8%減から0.9%減に下方修正された。