どの口で「信頼回復」? 耳を疑う安倍、麻生“居直り”答弁

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交渉記録に残された現場の悲痛な叫び

 一連の森友疑惑の核心に安倍夫妻がいることは、もう国民は感づいている。14日の集中審議で、安倍は「書き換え前の文書を見ても、私や妻が関わっていないということは明らか」と断言したが、無駄な抵抗だ。むしろ文書を読めば、昭恵夫人の関与が色濃くにじみ出ているのだ。

 改ざん文書14件のうち、最終決裁権者が財務省理財局次長だったのは1件のみ。残る全ての最終決裁権者は近畿財務局内でとどまっていた。実は財務省の本省が決裁を担当したのは、交渉経緯に昭恵夫人の記載が出てくる文書だけなのだ。

 問題の文書は、2015年4月30日に森友学園への国有地貸し付けに関する「特例処理」を認めたもの。「これまでの経緯」として、14年4月に森友側が当時の籠池理事長と昭恵夫人が現地で並ぶ写真を提示し、「総理夫人を現地に案内し、夫人からは『いい土地ですから、前に進めて下さい』とのお言葉をいただいた」と伝えられた旨が記載されている。

 また、産経新聞のネット記事を引用して昭恵夫人が森友学園を訪問した際、「学園の教育方針に感涙した旨が記載される」とある。

 しかも、近畿財務局は昭恵夫人の写真を見せられてから、35日後に態度を一変。それまで乗り気ではなかった土地取引について、森友側の2つの要請を受諾し、売却を前提とした貸し付けという異例の契約にも「協力させていただく旨を回答」との記載が出てくる。

 さらに、昭恵夫人が森友学園で感涙した記事が掲載された翌日には、近畿財務局が森友学園を訪問。「国の貸付料の概算額を伝える」と記されてある。佐川氏が国会で散々否定した「事前の価格交渉」の始まりだ。

 昭恵夫人に関する記載の直後、必ず交渉の大きな分岐点を迎える記載があるのは偶然なのか。

■政権維持だけが目的の前代未聞の権力亡者

 ちなみに、「これまでの経緯」によると、近畿財務局は国会議員4人の秘書の貸付料値引きの口利きを全て突っぱねてきた。やはり異例の土地取引に至った経緯には、籠池前理事長の戦前回帰の教育方針にホレ込んでいたファーストレディーの存在が、重荷となっていたのではないか。

 削除された「本件の特殊性」という言葉も含め、文書からは現場の悲痛な叫びが聞こえてくる。ハッキリと記さないまでも、昭恵夫人の存在によって行政がネジ曲げられたという訴えがヒシヒシと伝わってくるのだ。前出の五十嵐仁氏はこう言った。

「この期に及んで、安倍首相が『被害者ヅラ』なのは理解できません。仲間内で甘い汁を分け合う数々のアベ友疑惑を見ても、森友疑惑や公文書改ざんの核心に安倍夫妻がいるのは明らか。居直りを決め込んでいることに、国民は皆、驚き呆れていますよ」

「まさに権力者の最後の悪あがきです」と言うのは、政治評論家の森田実氏だ。こう続けた。

「歴史上、権力者の多くは『最後まで自分だけが生き残ればいい』と、醜悪な行動を取ってきました。悲惨だったのは、先の大戦後です。無謀な作戦を命じた陸軍の司令官は生き残りを図り、戦闘や捕虜虐待の責任を押し付けられた部下たちは、B級、C級戦犯として、現地で処刑されました。そのおぞましさは、改ざんの責任を財務省になすりつける今の政権の姿に重なります。財務官僚が一局長を守るために、あれだけ大掛かりな改ざんを実行するわけがありません。生き残りのためなら何でもアリの悪党が政権を担い続ければ、さらなる恐ろしい事態を招くだけ。モラルの底が抜けた国は、滅びゆく運命なのです」

 こんな権力亡者どもに依然として腰が引け、証拠隠滅の改ざんを「書き換え」と表現するメディアもあるから許し難い。卑しい悪党どもに、これ以上、手を貸してどうするつもりなのか。この政権が望んでいるのは自分たちの保身だけ。信頼なんてクソくらえなのだ。もはや政権維持だけが目的化した世紀の浅ましさの我利我利亡者の存在こそが、前代未聞だ。国民は敢然と鉄槌を下さなければいけない。

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