著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

テロ時代の幕開け「郷詩会」の国家改造が招いた血盟団事件

公開日: 更新日:
団琢磨の射殺現場を臨検する警察官ら(昭和7年3月、日本橋・三井銀行本店前)/(C)共同通信社

 昭和6年8月26日、東京・青山にある日本青年館で「郷詩会」なる会合が開かれた。文学青年風の集まりに思えるが、その実態は違った。陸軍の青年将校、海軍の革新派士官、それに民間側から北一輝系、井上日召系、農本主義者の橘孝三郎ら、いわばこの期に国家改造運動を進めている人物たちの顔見せと…

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