安倍首相が墓穴 桜を見る会夕食会弁明で法律違反を正当化
安倍首相は、墓穴を掘った――。「桜を見る会」をめぐる自身の後援会ツアーや前夜祭のホテル夕食会について、15日、官邸でのぶら下がり取材で釈明したが、むしろ疑惑は深まった。
特に、5000円という破格の夕食会。「事務所、後援会の収入、支出は一切ない」「会費は会場受付で事務所職員が集金し、ホテル名義の領収書をその場で手交し、集金した現金をホテル側に渡す形で支払った」という説明は、政治資金規正法違反(不記載)を自ら認めているようなものなのだ。
「会費制の会合で収入がないからといって収支報告書に記載しないのはマズい。政治資金規正法の専門の弁護士に、そう言われました」
こう話すのは野党系の前衆院議員。数十人規模の支援者との懇親会を地元のホテルで開催した際、当初は、会費を会場でもらってホテル名義の領収書を出し、集めた現金をホテルに渡す形式を考えていた。それなら、自身の事務所は「仲介者」「幹事役」にすぎないので、報告書にも記載する必要がないと思っていたという。
しかし、弁護士に「違法になる」と指摘されたため、結局、後援会が集金して領収書を出し、後援会としてホテルに支払う形にして、報告書にも記載した。
「収支が一致していて後援会としての収入がないため記載不要だと思っていましたが、政治資金規正法の趣旨に反するとのことです。規正法は政治家のお金の動きを透明化するのが目的で、後援会の名前で会合を催したら、収支に関係なく記載しなければならないということでした」(前出の前衆院議員)
会費制で収支均衡でも報告書に記載――。実はコレ、今や永田町では常識だ。
昨年10月、立憲民主党の近藤昭一副代表(当時)が会費制集会の不記載を指摘され、資金管理団体の収支報告書を訂正、党の役職を辞任している。実行委員会が主催し、申込先が近藤事務所だった「サマーパーティー」「いちご狩り」は、集めた会費をそのまま会場に支払っていたため、事務所の収入はなかった。しかし、規正法に抵触する恐れがあるとして、訂正申告したのだった。