口封じの国策捜査で実刑に…森友事件の真相は解明されず
籠池夫妻の法廷闘争は1審判決を迎えても、ただでは済まない。赤の“勝負ネクタイ”を締めて大阪地裁に現れた籠池泰典前理事長。妻の諄子さんも負けじと鮮やかなオレンジのコート姿で報道陣に検察の不当さを訴えた。
公判は冒頭、弁護側の申し立てで判決前に弁論が再開された。これ自体異例だが、途中で諄子さんが弁護士にしきりに何かを訴え涙ぐんでいる。意見が通らず感情が高ぶったのだという。そこで裁判長が休憩を宣言する珍しい事態に。20分ほどで再開した時は落ち着きを取り戻していた。
1審判決は、籠池泰典前理事長が懲役5年の実刑、諄子さんが執行猶予の付いた懲役3年。しかし、この裁判で何が解明されたのだろう?
裁判をずっと傍聴してきて私が感じたのは「とにかく何が何でも夫妻を有罪にしたい。特に前理事長を実刑にしたい」という検察の強い意向だ。判決はまさにその通りになった。
詐欺の共犯とされた設計業者らは逮捕も捜索もされず罪に問われていない。籠池夫妻だけが逮捕され300日間にわたって勾留された。この点を籠池前理事長は「口封じのための国策捜査だ」と法廷で訴えた。