急ピッチで進む検察捜査 ターゲットは河井克行前法務大臣
河井克行前法務大臣をターゲットにした検察捜査が、急ピッチで進められている。
入り口は夫人の案里参院議員の公職選挙法違反事件だったが、既に公設秘書らを買収罪などで起訴、連座制での案里氏の失職は確実になった。
以降、捜査する広島地検は、買収を指揮したのが克行氏だという疑いを強め、東京、大阪などから検事を集め、広島県内の首長、県議、市議らを呼び、精力的な参考人聴取を行っている。なかには小坂真治安芸太田町長のように、昨年7月の参院選前に克行氏から「20万円入りの封筒を受け取った」と証言する人もいる。他にも現金授受を認めた政界関係者はいて、「票を取りまとめてもらう意図が克行氏にあったかどうか」が捜査の焦点となる。
検察は本気だ。昨年末、東京地検特捜部がカジノに絡む贈収賄事件で、秋元司・元内閣府副大臣を逮捕したばかり。政治家逮捕は鈴木宗男事件以来、17年ぶりだった。その直後といっていい今年1月15日、広島地検が河井夫妻の強制捜査に着手。内容は車上運動員(ウグイス嬢)に法定上限を超える日当を支払ったというもの。ここで官邸VS検察の構図が固まった。