小林節
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小林節慶応大名誉教授

1949年生まれ。都立新宿高を経て慶大法学部卒。法学博士、弁護士。米ハーバード大法科大学院のロ客員研究員などを経て慶大教授。現在は名誉教授。「朝まで生テレビ!」などに出演。憲法、英米法の論客として知られる。14年の安保関連法制の国会審議の際、衆院憲法調査査会で「集団的自衛権の行使は違憲」と発言し、その後の国民的な反対運動の象徴的存在となる。「白熱講義! 日本国憲法改正」など著書多数。新著は竹田恒泰氏との共著「憲法の真髄」(ベスト新著)

4コマ漫画が物議 お粗末すぎる自民党の改憲「進化論」

公開日: 更新日:

 自民党の広報が公式ツイッターで発信した4コマ漫画が物議を醸している。それは、要するに「ダーウィンの進化論によれば、生き延びることができるのは、最も強い者でも最も賢い者でもなく、『変化できる者』である。だから、日本を発展させるためには憲法改正が必要である」と主張している。

 まず、各個体に「意志」が存在しない動物と植物が自然環境に適応「させられて」変化した過程を、意志がある人間の集団行動である政治や歴史に適用しようとする点からして、もとより無理筋な話である。

 それに、一読して「大日本帝国憲法(明治憲法)現代語訳」と見紛う日本国憲法改正草案(2012年)を今でも堂々と掲げている自民党に「進化(優れたものへの発展)」を説かれても片腹痛いとしか言いようがない。

 自民党の草案には、文字通り「反憲法的」なことがいくつも明記されている。まず、本来は主権者国民の最高意思として権力担当者を縛る法である憲法(現99条)を、権力担当者が一般国民に守らせるもの(草案102条)に変えようとしている。また、首相が緊急事態を宣言したら、内閣は行政権に加えて、国会から立法権と財政権を奪い、地方自治体から自治権を奪い、国民は公の命令に従う義務を負うこと(草案98条、99条)を提案している。さらに、草案は、選挙制度を定める際に「一人一票の原則」を軽んじても良い(47条)と定めている。憲法論の「退化」であろう。

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