立岩陽一郎
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立岩陽一郎ジャーナリスト

ジャーナリスト。1967年生まれ。91年、一橋大学卒業後、NHK入局。テヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクなどを経て、2016年12月に退職。現在は調査報道を専門とする認定NPO運営「INFACT」編集長。毎日放送「よんチャンTV」、フジテレビ「めざまし8」出演中。

「愛の不時着」に金正恩政権が神経をとがらせている背景は

公開日: 更新日:

 GW中に今更だが、「愛の不時着」全16話を見た。恋愛もの故に敬遠していたが、緊急事態宣言下の時間の過ごし方として挑戦してみた。語るまでもないが、朝鮮人民軍のリ・ジョンヒョク大尉と韓国財閥の娘のユン・セリを軸に、両国のさまざまな人々が織りなす愛と笑いと涙とサスペンス、アクションの物語が飽きさせない。

 韓流ドラマの流入に気をもむ金正恩政権は、特にこの番組に神経をとがらせているといわれる。批判しているとの報道も散見される。なにを特に嫌うのか? 南北の格差が描かれているからか?

 例えば韓国に来た朝鮮人民軍の兵士が、ソウル市内の車の多さに、「韓国中の車を集めたのか」と言う場面。これは80年代にあったとされる有名なやりとりだ。ソウルで行われた南北の実務者協議の場で(北)朝鮮側から出た発言で、韓国側は、「ええ。あの高層ビル群も全て韓国中から集めました」と応じたといわれている。それから40年。南北の経済格差は更に広がっている。私の2度の訪朝の経験では、少なくとも平壌に住む人々は南北の経済格差について知っていた。それでも「共和国は自主自立で頑張っている」。加えて、「核」。それがプライドとなっていた。つまり、政権にとって、経済格差が描かれてもさほどの痛手はない。

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