今回の選挙を「参議院」というものの機能を考える機会にしたい
7月10日に投開票が行われる参院選挙。ある地域で計画された党首討論が中止となったと耳にした。自民党が参加を拒否したのが理由だという。主催者側の関係者は、「自民党は失点さえなければ勝てると踏んでいるので、盛り上げたくないのでしょう」と話した。
昨今の情勢を見ると自民党がそう考えたとしても不思議ではない。仮に、その推測が本当だとして、自民党が悪いのか? そう思わせる我々有権者が悪いのか? 間違いなく後者だろう。
こうした中で、政府の衆院議員選挙区画定審議会が、1票の格差を2倍未満に収めるための小選挙区の区割り見直し案を勧告した。これによって、東京、神奈川など5都県で10増、宮城、和歌山、山口など10の県で10減となる。
もともと自民、公明両党が議員提案したものだが、後に減となる県が明らかになると自民党内から激しい反発が出たと報じられている。山口県、和歌山県などは有力議員の地元だけに、わかりやすい反応だ。
衆議院選挙において1票の格差を2倍未満におさえることは重要だ。有力政治家のために制度があるわけではない。一方で、1票の格差を是正する中で、結果的に地方の衰退を加速させる恐れがあることも否定できない。