「石破降ろし」不発の裏でうごめく与野党の身勝手な思惑…野望ついえた安倍一派は“特大ブーメラン”に真っ青

公開日: 更新日:

世論も「辞める必要ない」が6割

 自民党内も沈静化してきた。石破首相の地元、鳥取県が選挙区の舞立昇治参院議員が、16日の会合で商品券配布は「歴代の首相の慣例」と発言、自民党内で当たり前のように行われていたことが明るみに出た。党幹部に叱られたのだろう。舞立はきのうになって「事実誤認」とのコメントを出して「発言を撤回」したが、後の祭りだ。

 商品券配布は、単なる石破問題ではなく、自民党の金権体質の問題。「自民党の言う『政治にカネがかかる』とは、そういうことか」と、広く国民が知ってしまった。

「今のままでは誰が総裁でも自民党は参院選で負ける。石破首相を退陣させ、参院選前に総裁選をやっても、参院選後にまた交代になりかねない。誰がそんな貧乏くじを引くのか」(自民党関係者)

 与野党ともに身勝手な思惑ばかりなのだが、驚いたのが朝日新聞の世論調査だ。商品券配布問題を受けて石破首相はやめるべきかという質問に、「やめるべきだ」は32%、「その必要はない」が60%とダブルスコアだった。

 これで「反石破」の安倍一派は歯ぎしりだ。西田昌司、青山繁晴両参院議員が石破首相の退陣を求めて騒いだものの、広がりを欠く。そのうえ、安倍政権時にも、商品券が配られていたことを毎日新聞と時事通信に報じられてしまった。

 15日付の毎日によれば、第2次安倍政権時にベテラン議員が首相公邸で会食した前日、首相周辺がこの議員のもとを訪れ、「お土産です」と数十万円分の商品券を渡していったという。時事も17日に、第2次安倍政権以降のこととして「首相公邸での会合で20万円分の商品券が配られていた」と自民党関係者が具体的に証言したと伝えた。

 この強烈なブーメランに、安倍一派は真っ青だろう。

  ◇  ◇  ◇

 恨み骨髄の旧安倍派の面々は「石破降ろし」の流れに棹をさしていたが…。●【関連記事】『旧安倍派「石破降ろし」フルスロットルのワケ…恨み骨髄!引き金は森友文書の開示決定だった』で詳報している。

■関連キーワード

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 政治のアクセスランキング

  1. 1

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  2. 2

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  3. 3

    「おこめ券」迫られる軌道修正…自治体首長から強烈批判、鈴木農相の地元山形も「NO」突き付け

  4. 4

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  5. 5

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  1. 6

    高市政権「調整役」不在でお手上げ状態…国会会期末迫るも法案審議グダグダの異例展開

  2. 7

    「台湾有事」発言から1カ月、中国軍機が空自機にレーダー照射…高市首相の“場当たり”に外交・防衛官僚が苦悶

  3. 8

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  4. 9

    維新が手にする血税は33億円…定数削減へチンピラまがいの圧力、税金原資にキャバクラ&ショーパブ代支出の疑い

  5. 10

    「おこめ券」に続き“やってる感”丸出し…鈴木農相がひっそり進めるもう一つの肝いり政策

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった