改めて注目される人柄と度量…石破茂という男の不徳

この不毛な政局にはさまざまな要因があるが、その一つが現職首相のあり得ないような人望のなさだ。裏金集団の人気者になる必要はないが、執行部のほとんどが辞意を表明し、閣内からも反旗が続々。支えているのは2、3人で、総裁選になれば20人が集まらない…。
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石破首相と「石破おろし」を画策する連中の権力闘争が最終盤に入った。事実上のリコールにあたる自民党総裁選の前倒し要求の提出期日は、週明けの8日。臨時の実施を求める国会議員は、総裁選挙管理委員会に署名・押印した文書を午前10時から午後3時までに提出。都道府県連は機関決定が必要で、要求を決めた場合は代表者名による文書を提出する運びだ。その後、総裁選管の逢沢一郎委員長が会見して結果を発表し、前倒しを求めた国会議員と都道府県を公表することとなっている。
「スリーアウトチェンジ」と言ってのけた茂木敏充前幹事長が牛耳る栃木県連は5日、前倒し賛成を通知。裏金事件の総本山である旧安倍派の萩生田光一元政調会長が幅を利かせる東京都連のほか、岩手、茨城、長野、三重の各県連も賛成を決めた。裏金をめぐっては先月中旬、萩生田の政策秘書が政治資金規正法違反(虚偽記載)の罪で略式起訴され、罰金30万円と公民権停止3年間の略式命令を受けた。それで萩生田はしばらく鳴りを潜めていたものの、ここへきて解禁。5日配信のメルマガで、〈先日の両院議員総会で石破総理のしかるべき時の発言を自ら実行していただく事を期待します〉とチクチクやっていた。石破が参院選惨敗の総括にあたり、具体的な対応は「しかるべき時に判断する」と曖昧にしたのをあてこすったわけだが、石破退陣の流れを不可逆的なものにすべく躍起である。
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