「台湾有事」発言から1カ月、中国軍機が空自機にレーダー照射…高市首相の“場当たり”に外交・防衛官僚が苦悶
狙いは保守層のつなぎ留め
まさに行き当たりバッタリ。この場当たり答弁に外務・防衛官僚は苦悶しているという。
「皆、なぜあんな不用意な発言をしたのかと頭を抱えています。就任早々、対中強硬派の高市首相を警戒し、面会に慎重だった習近平国家主席との首脳会談が実現したのに、すっかり台無し。側近の官僚も呆れ返っています。この状況に、中国共産党はほくそ笑んでいるでしょう。日本を徹底批判することで『台湾統一』の妥当性を国際社会に訴えられますから」(霞が関事情通)
実際、中国の王毅外相は訪中したフランスのバロ外相と会談。高市答弁を批判し「仏側が中国の正当な立場を理解し、支持すると信じる」と呼びかけた。さらに、傅聡国連大使は国連のグテレス事務総長宛てに「(高市答弁は)戦後の国際秩序に公然と挑戦するものだ」などとする書簡を送った。先の大戦を意識した「戦勝国外交」に拍車をかけている。
■「恐ろしいのは万一の衝突」
「どのような意図があろうと、あの答弁は即時撤回すべきでした。今ごろ、撤回しても中国から『遅きに失している』『何を今さら』などと批判されるだけ。もはや、黙って見ているしかないのが実態でしょう。恐ろしいのは万一の衝突です。今回、中国軍機は現場判断でレーダー照射に踏み込んだ可能性があり、今後、予期せぬ事態が起きないとは言い切れない。官僚たちは困惑しきりのはずです」(春名幹男氏)
こんな調子で最悪の事態を避けられるのか。
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