(1)台湾から最短で約111キロ…沖縄の犠牲は82年前に始まった
あのときと同じではないか。米軍の侵攻に備え日本軍が大量に投入され、避難する県民を乗せた対馬丸が撃沈され多数の児童生徒を含む犠牲者を出した82年前……。そこから沖縄県民がどんな運命をたどったか、当時の県知事と警察部長を主人公にした「島守の塔」(2022年公開)を観ると明らかだ。戦闘を描く戦争映画の視点と違い、住民を守るために尽力した人々の記録なのだが、最終的には県民の約24%が生命を失っている。
戦闘の面では、1953年、68年、82年、95年と4度も映画化されている「ひめゆりの塔」が有名だ。戦争に巻き込まれていく10代女子学生たちの悲劇を描き、胸に迫る。だが、その背景には、彼女たちや男子学生までに犠牲を強いた軍隊の論理がある。県民を「本土防衛の捨て石」にしてしまったその論理を追及し、この不毛な戦いの全貌を示してくれるのは「激動の昭和史 沖縄決戦」(71年公開)だ。
監督の岡本喜八、主演の小林桂樹、丹波哲郎ら下級兵士として従軍体験のある人々によって作られたため、政治や軍による戦争展開の過程で兵士や住民がどう扱われたかを実にリアルに再現している。 (つづく)



















