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寺脇研京都造形芸術大学客員教授

1952年、福岡市生まれ。ラ・サール中高、東大法学部卒。75年に文部省(当時)入省、映画評論家としても活動開始。初等中等教育局職業教育課長、大臣官房審議官、文化庁文化部長などを歴任し、2006年に退官。ゆとり教育の旗振り役を務め、“ミスター文部省”と呼ばれた。映画「戦争と一人の女」「天上の花」などをプロデュース。

(1)台湾から最短で約111キロ…沖縄の犠牲は82年前に始まった

公開日: 更新日:

 あのときと同じではないか。米軍の侵攻に備え日本軍が大量に投入され、避難する県民を乗せた対馬丸が撃沈され多数の児童生徒を含む犠牲者を出した82年前……。そこから沖縄県民がどんな運命をたどったか、当時の県知事と警察部長を主人公にした「島守の塔」(2022年公開)を観ると明らかだ。戦闘を描く戦争映画の視点と違い、住民を守るために尽力した人々の記録なのだが、最終的には県民の約24%が生命を失っている。

 戦闘の面では、1953年、68年、82年、95年と4度も映画化されている「ひめゆりの塔」が有名だ。戦争に巻き込まれていく10代女子学生たちの悲劇を描き、胸に迫る。だが、その背景には、彼女たちや男子学生までに犠牲を強いた軍隊の論理がある。県民を「本土防衛の捨て石」にしてしまったその論理を追及し、この不毛な戦いの全貌を示してくれるのは「激動の昭和史 沖縄決戦」(71年公開)だ。

 監督の岡本喜八、主演の小林桂樹、丹波哲郎ら下級兵士として従軍体験のある人々によって作られたため、政治や軍による戦争展開の過程で兵士や住民がどう扱われたかを実にリアルに再現している。 (つづく)

【連載】迫る「新しい戦中」 2026年に観たい映画

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