積み上げてきた平和国家、一瞬にして瓦解 歴史に刻まれるであろう2.8総選挙の暗黒とこの国の行く末(中)
■高市人気投票を実況 争点隠しに堕した大マスコミ
高市自民バカ勝ちの流れに棹さした要素のひとつは、大手メディアの報道だ。
高市は昨年まで「解散について考えている暇はない」と繰り返してきたが、年頭会見では「いずれにしましても、まだ2カ月半です」と歯切れが悪かった。すると5日後、政権寄りの読売新聞が朝刊トップで「解散検討」と特報。そこから一気になだれ込み、解散から投開票まで戦後最短の16日間、真冬の総選挙に突入した。序盤に「自民、単独過半数うかがう」と朝刊トップで報じたのも読売だった。
前出の金子勝氏は「高市首相が大義のない衆院選で勝利を収めたのは、自身への信任を求め、構図を極端に単純化したからです」と言い、こう続ける。
「物価高に苦しむ有権者の関心事である消費税減税をめぐっては、前向きな姿勢を見せて野党に抱きつき、争点潰しをした。結果、総選挙は人気投票化。総務相時代の高市氏に『停波』をチラつかされたテレビの多くも忖度したのか、選挙報道というよりは、首相の動きを実況中継していたと言っていい。メディア側の腹が据わる前に奇襲のような解散を打たれたとはいえ、有権者に選択の材料を与えたとは言い難い。ましてや、序盤で自民圧勝の流れをつくるような報道は、投票行動に少なからず影響を与えたはずです。野党がここまで力を失った今、メディアが第4の権力として監視を強めなければ、独裁化する政権を止められません」
権力に添い寝するのか、国民に寄り添うのか。選択肢となること自体が異常ではあるものの、分水嶺だ。
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