積み上げてきた平和国家、一瞬にして瓦解 歴史に刻まれるであろう2.8総選挙の暗黒とこの国の行く末(中)
■この選挙結果で対中関係はどうなるのか
はたして中国との関係はどうなるのか──。これも高市自民党が歴史的な大勝をしたことで懸念されていることだ。
いわゆる高市の「台湾発言」以来、日本と中国は、修復不可能なほど関係がこじれてしまった。政治家の往来だけでなく、財界人の往来までストップしている状態だ。
8日フジテレビの選挙特番で高市は、靖国参拝について「環境を整えるために努力している」と、またしても中国を刺激しかねない発言をしている。
元外務省国際情報局長の孫崎享氏がこう言う。
「タカ派の高市首相は“対中強硬姿勢”を示すことで有権者の支持を集めたこともあり、もはや中国に対して弱腰姿勢は見せられないでしょう。台湾問題が絡んでいるから、中国も日本と妥協する余地がない。どちらも譲歩できない状態です。最大のリスクは、やはり尖閣諸島でしょう。一触即発の事態になった時、自国の領土だと主張している中国は引かず、強硬姿勢が売りの高市首相も引くに引けないでしょう。最悪の事態も想定されます」
しかし、軍事大国、経済大国の中国と対立することが国益につながるのかどうかは、疑問が残る。
「中国に対して強く出れば、支持者から称賛され、高市内閣の支持率もあがるでしょう。しかし問題は、中国とケンカして勝ち目があるのかどうか、ケンカに勝つ“手札”があるのかどうかです。中国にとって日本は、輸出全体の3%しか占めないから、日本市場を失っても打撃は小さいでしょう。一方、日本は中国からレアアースの輸出を止められたら、日本経済が壊滅的な打撃を受けかねない。半導体もEV自動車もつくれなくなってしまう。残念ながら、中国の方が“切り札”が多い。あのトランプ米大統領も、中国にケンカを売ったはいいが、マイナスが大きいと判断して関係修復に動いているほどです。米国だけでなく、昨年末から今年にかけて、英、仏、加、アイルランド、フィンランド……と、欧州の首脳が次々に中国を訪れ、関係を深めている。ドイツの首脳も今月、訪問する予定です。このままでは、日本だけが中国と対立しているということになりかねません」(孫崎享氏=前出)
高市政権が続く限り、日中関係の修復は絶望的だ。その間、国益が損なわれる恐れが強い。


















