“弱者”だったからこその大出世 楽天・則本「気迫」の源泉

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「同点にされたけど、しっかりしのげばウチの打者は頼もしい人ばかりなので、逆転を信じて投げました」

 則本昴大(22)のお立ち台での言葉に、楽天ナインは「おまえが一番頼もしい」と思ったに違いない。

 5回無失点の辛島に代わり、六回からリリーフ登板。七回に村田のソロを浴び、九回には同点とされながらも、味方が勝ち越した直後の延長十回を3者凡退。初戦に先発して124球を投げ、中4日のこの日も5イニング79球を投げぬいた。

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 小学生時代に所属していた多賀少年野球クラブの辻正人監督は則本を「相手が強ければ強いほど、実力以上の力を発揮するタイプ。彼が成長したのも、無名の三重中京大で野球をしてきたからでしょう」とみる。

 持ち味は「打てるものなら打ってみろ!」という気迫の投球。そんなスタイルが星野監督の琴線に触れ、ルーキーながら開幕投手に抜擢された。楽天は05年の球団創設以来、Aクラスが09年の2位だけ。「弱者」だっただけに強い他球団をやっつけようと目の色を変えた。シーズン15勝8敗。日本シリーズでも初戦先発という大役を任された。

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