楽天がNO…マー君残留なら「怒りや不快感が投球に影響」と識者

公開日: 更新日:

 しかし、メジャー移籍の夢が実現しなかった“反動”はないのか。

「気になるのはメンタルではなく、むしろ無意識に出てくる球団への怒りや(オーナーの)三木谷さんへの不快感です。いくらメンタルが強くても、人間というのは過去に嫌な思い出があると、大きな場面、緊張する場面にその嫌なことを思い出してしまう習性があります。野球はチームスポーツで、選手はみな、チームの勝利への強い意識を持って戦いますが、今回の一件で田中選手のチームへの思い、愛着は確実に弱くなってしまう。しかも、最初はメジャー行きを容認していた球団が一転、お金の問題で慰留に動いたわけですから、球団、三木谷オーナーへの不信感は相当なもの。それが、いざという時のパフォーマンスに影響を及ぼす可能性はあります」(斉藤氏)

 20年ほど前、まだ入札制度ができる以前の話だ。近鉄が「任意引退」扱いで野茂英雄のメジャー移籍を認めた理由のひとつは、野茂本人の気持ちの問題だった。当時のフロント幹部は「嫌がる馬に無理やり水を飲ませることはできない」と言った。比喩が的確かどうかはともかく、本人の熱い気持ちに冷水をぶっかければ、翌年の働きも期待できないと判断したからだろう。

 田中が残留なら、来季は「抜け殻」になってしまう可能性もあるのだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  2. 2

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  3. 3

    広陵・中井監督が語っていた「部員は全員家族」…今となっては“ブーメラン”な指導方針と哲学の数々

  4. 4

    巨人・田中将大と“魔改造コーチ”の間に微妙な空気…甘言ささやく桑田二軍監督へ乗り換えていた

  5. 5

    【広陵OB】今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  1. 6

    最速158キロ健大高崎・石垣元気を独占直撃!「最も関心があるプロ球団はどこですか?」

  2. 7

    さらなる地獄だったあの日々、痛みを訴えた脇の下のビー玉サイズのシコリをギュッと握りつぶされて…

  3. 8

    打者にとって藤浪晋太郎ほど嫌な投手はいない。本人はもちろん、ベンチがそう割り切れるか

  4. 9

    開星(島根)野々村直通監督「グラウンドで倒れたら本望?そういうのはない。子供にも失礼ですから」

  5. 10

    日本ハム中田翔「暴力事件」一部始終とその深層 後輩投手の顔面にこうして拳を振り上げた

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  2. 2

    7代目になってもカネのうまみがない山口組

  3. 3

    巨人・田中将大と“魔改造コーチ”の間に微妙な空気…甘言ささやく桑田二軍監督へ乗り換えていた

  4. 4

    福山雅治のフジ「不適切会合」出席が発覚! “男性有力出演者”疑惑浮上もスルーされ続けていたワケ

  5. 5

    打者にとって藤浪晋太郎ほど嫌な投手はいない。本人はもちろん、ベンチがそう割り切れるか

  1. 6

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  2. 7

    DeNA藤浪晋太郎がマウンド外で大炎上!中日関係者が激怒した“意固地”は筋金入り

  3. 8

    収束不可能な「広陵事件」の大炎上には正直、苛立ちに近い感情さえ覚えます

  4. 9

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  5. 10

    吉村府知事肝いり「副首都構想」に陰り…大阪万博“帰宅困難問題”への場当たり対応で露呈した大甘な危機管理