ヤクルト小川を直撃した「時速180キロ硬球」の恐怖

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■脳裏に浮かんだ巨人・菅野

 小川は転々とするボールを追いかけながら、巨人の菅野のことが思い浮かんだという。

「直前の神宮での巨人戦(4月16日)で菅野(智之)さんが2度も打球を右手に受けながら、投げ抜いたことがすごく印象的だった。自分も投げなきゃ、と思ってボールを握ったものの、右手がいうことをきかなかった」

 リハビリ中はネットで打球直撃の映像を見たこともある。恐怖心もなかなか消えなかったとはいえ、「いい当たりをされたのは、厳しいコースをつけなかった自分にも問題がある」と切り替えた。
 前向きになれたのは「不幸中の幸い」もあったからだと言う。

「骨折したといっても、有鉤骨鉤がズレただけで済んだ。保存療法で対応できたんです。有鉤骨鉤は出っ張っている骨で、打球が当たった衝撃で骨が外れる危険もあった。そうなると手術が必要で、今季中の復帰は難しかったかもしれません」

 チームの菊池コンディショニング担当によると、「もし手術をしていたら投球再開まで2~3カ月はかかったかもしれない」と話す。

「チームに迷惑をかけた分、残りのシーズンで取り返したい」と意気込む小川の復活登板は間もなく――。

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