<第11回>ある新弟子の一日

公開日: 更新日:

 どの部屋もちゃんこ番は幕下以下が持ち回りで行うが、将来有望な力士は免除されることもある。「相撲部屋も、見込みのある力士とそうでない力士の扱いには差が出る。親方の対応の差を見て自分の限界を悟り、出世レースからドロップアウトした者は自らちゃんこ番に精を出すケースが多い」とはある力士だ。

 12時、食事を終えた後は掃除の時間だ。稽古場だけでなく、玄関や大部屋など、建物全体の掃除を行う。その後は昼寝の時間だが、兄弟子や親方の使い走り、夕食の買い出しなど、新弟子は雑用が多い。それでも何とか時間をつくって眠らなくては体が持たない。

 午後4時起床。厨房に下りてジャガイモの皮むき、食器の準備など、ちゃんこ番の手伝いや下ごしらえを行う。

 午後7時、夜のちゃんこ。この日は豚肉と野菜を使った醤油仕立て風。かつての相撲部屋は「手をついたら負けだから」と牛や豚など四つ足動物を嫌っていたが、昨今はそうしたことはほとんどない。もちろん、外国人力士といえど、好き嫌いは厳禁。「嫌いなものを残すと、翌日のちゃんこで倍の量を食わされる」(モンゴル人力士)という。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    長瀬智也が国分太一の会見めぐりSNSに“意味深”投稿連発…芸能界への未練と役者復帰の“匂わせ”

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  5. 5

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  3. 8

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  4. 9

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  5. 10

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…