著者のコラム一覧
元木大介タレント・野球解説者

1971年12月30日、大阪府豊中市生まれ。上宮高時代に甲子園に3度出場し、歴代2位タイの通算6本塁打を放つ。89年のドラフト1位でダイエーに指名されるも、入団を拒否してハワイに野球留学。翌90年ドラフトで巨人から1位指名を受けて入団。長嶋監督が「クセ者」と呼んだ野球センスを武器に一時代を築いた。05年オフに引退。通算成績は1205試合に出場して打率・262、66本塁打、378打点。

挑むような目をした記者とカメラマンに恐怖を感じました

公開日: 更新日:

 ダイエーからの1位指名は光栄でしたが、「巨人野球をやりたい」という自分の気持ちが揺らぐことはありませんでした。1989年11月26日のドラフト当日から半月後の12月13日に行われたダイエーとの2度目の交渉で、「巨人希望の初志を貫かせていただきます」と正式に入団をお断りさせていただきました。親父が「高い評価をしていただき感謝していますが、息子の夢をかなえさせてください。申し訳ございません」と説明する隣で、僕も一緒に頭を下げました。

 交渉が終わったのは、夜9時過ぎ。自宅前に出て集まっていた報道陣に結論を伝えると、けたたましいシャッター音とともに無数のフラッシュを浴びせられました。その光と挑んでくるような目をした記者やカメラマンの方の表情を見て恐怖を感じましたが、実際に翌日から僕は大バッシングにさらされました。

 昼夜を問わずに自宅の呼び鈴が押され、カーテンの隙間から外の様子をうかがえばあちこちにレンズを構えたカメラマンが……。おふくろはすっかり体調を崩してしまい、僕は僕で通学の満員電車の中でも写真を撮られる状態にすっかり参ってしまいました。テレビや新聞を見れば、「生意気、横柄、ナメてる」の大合唱。僕は巨人に行きたいという信念を貫いただけなのに……。本当につらかったです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  2. 2

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 3

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  4. 4

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  5. 5

    2025年は邦画の当たり年 主演クラスの俳優が「脇役」に回ることが映画界に活気を与えている

  1. 6

    真木よう子「第2子出産」祝福ムードに水を差す…中島裕翔「熱愛報道」の微妙すぎるタイミング

  2. 7

    M-1新王者「たくろう」がネタにした出身大学が注目度爆上がりのワケ…寛容でユーモラスな学長に著名な卒業生ズラリ

  3. 8

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  4. 9

    高市政権の積極財政は「無責任な放漫財政」過去最大122兆円予算案も長期金利上昇で国債利払い爆増

  5. 10

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手